海外Q&Aサイトの「韓国や日本のような働きすぎの社会の人たちって、なぜヨーロッパみたいな寛大な社会福祉政策を法制化する左翼政党を支持してクオリティ・オブ・ライフを向上させようとしないの?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(アメリカ)
文化的な要因が大きいと思う。アジアの社会では、労働倫理と勤勉さが重要な倫理的価値になっている。彼らの社会的な強みは家族にあり、そして企業はある程度まで家族の延長にある。中国の場合はそれに加えて政府も家族の延長だ。また彼らは非常にナショナリズムが強く、自国が成し遂げたことにプライドを持っている。それが自分の人生に溶け込んだ一部だと感じているんだ。他の国と同じように彼らも不満は言うし、問題を抱えていて、怒ったり笑ったり微笑んだりする・・・しかし最後に残るのは彼らが育った文化的な環境で、それがクオリティ・オブ・ライフについての態度を決める。家族のために、彼らの多くは子供の犠牲にならなければならず、そしてその事自体が人生の満足をもたらす推進力になっている。子供が成功すれば、良い人生だという達成感と満足感を覚える。

しかし西洋の考え方と文化に晒されることで、若い世代は変わり始めている。人により程度の違いはあるが、西洋に触れることで新たな価値観と考え方が作られている。どの程度の変化が生じるかはその人の個性や性格によるようだ。家族環境と家族も考え方に影響を及ぼす。

この文化的な変化は、ヨーロッパのような社会主義に近づくものだろうか? 難しいが、もしそうなら、国によって違いがあるようだ。つまり、日本と韓国はより西洋化されている。中国は西洋の考え方に惹かれているようだが、国についての態度は社会主義的な傾向が強く、この態度は政府の方針によって形成されたものだ。長期的にはアジア人も物質主義を脱してもっと深遠な思考をするようになり、今よりも博愛的な社会環境が発展するかも知れない。今の日本と韓国はこの考え方に近い。中国は同じ状態に到達するのに恐らくもう1世代かかるだろう。



■回答者2(アメリカ)
日本の過労は海外メディアでは大きく誇張されている。確かに働きすぎの人はいるし、「働きすぎて死ぬ」人もいるが、そういう言葉が英語にあること自体、これが日本以外でも起こることだという証明だ。

過労は日本での方が広く見られるのかも知れないが、概念としては良く言っても漠然としたものだ。

ホワイトカラーの仕事に就いている日本人は長時間働くが、しかし私が18年間の個人的な経験から言えるのは、日本には空回りと、米軍の言葉で言う「急いで待て」が大量にあるということだ。

参考:
「「急いで待て」(Hurry up and wait)は、人がある時間までに仕事を完了するため、または目的地に着くためにために急がされるが、その時間になっても何も起こらないという状況を表すユーモラスな言い回しである。何も起こらないのは他の仕事の完了を待っているためであることが多い。この言い回しは1940年代に米軍で発生したようである[1]。米軍の特に退役軍人は、この言い回しを軍隊文化の代名詞と考えている。」
急いで待て - Wikipedia(英語)

日本人はある程度まで左翼政党を支持しているが、過労の問題に関してどの程度なのかは私には分からない。個人的な感覚では、対外関係と社会福祉政策全般の方が動機としては大きいと思う。

日本での大きな問題は、野党が分裂していて、選挙でも争い合っていて自民党を打倒するために団結しないということだ。さらに、自民党が一枚板の保守政党というより実際は連立を何とか保っているのに対し、左翼政党と野党は日本共産党を除くと不安定で、しばしば解体する。

簡潔に回答すると:

多くの日本人が実際に働きすぎというわけではない。過労の問題だけで選挙に影響を与えるほど多くはいないし、また過労の人の多くは保守の自民党が政権を握ることで利益を得るような企業や業界にいる。

韓国も恐らく似たようなものだと思う。

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■回答者3(アメリカ)
ほーん、良い政策じゃん。ベネズエラについて調べたことあるか?

トイレットペーパーは、誰だって経済的な困難を覚えずに使ったり買ったりできるべきだよな? ベネズエラのマドゥロ政権ではそういう法案が通った。問題は、トイレットペーパーを売る者は最低限の利益しか得てはいけないということだった。価格が低すぎて、店舗は実際に在庫と販売をやめた。

ありえんだろ。で政府はどうしたか? 軍を投入して倉庫にある全てのトイレットペーパーを掌握し、政府が分配できるようにした。こうなると、政府がこの貴重な紙製品の購入に税金を使うと決めなければ、追加の支出を埋めるため税収をどこかで増やさなければならない。困ったことに政府は、これをやらなかった。またもや余計なことをしてくれたんだ。この世で不老不死に一番近いのは政府の計画だ。

政府に任せた方がうまく行くっていう奴は、飲料用と洗浄用の水が必要な時にクッキーを持ってきたFEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)に感謝を忘れんなよ。



■回答者4(イスラエル)
なぜかと言うと、もし彼らが左翼政党を支持して、その政党が政権の座に就き、ヨーロッパみたいな寛大な社会福祉政策を法制化したら、経済と社会構造が破壊されてクオリティ・オブ・ライフは惨憺たるものになるからだ。ちょうどEUでやったみたいにね(だからイギリスは脱退した)。恵まれたヨーロッパ人と違って、日本と韓国には依存できる大量の天然資源がなく、国民は社会を機能させるために働く必要がある。



■回答者5(ノルウェー)
一つの要因は、それらの国では左翼が本当に力を持ったことがないからだと思う。このため左翼は「頭のおかしい左翼」(※looney left、パヨク)に見えるし、多分少しは実際にそうなっている。以前、日本の社会民主主義者の女性のインタビューを見たことがあるが、彼女の回答は明らかに自分の党が力を持つ可能性がないという前提だった。だから社会民主主義に賛同する人は、彼らに能力がないことを恐れて彼らに投票しないのだろう。経済と社会保障制度に関しては日本人の態度は実は若干左寄りだということを示唆する研究も見たことがある。



翻訳元:Quora



まともな野党がないのは良くないですね。



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