海外Q&Aサイトの「JLPT(日本語能力試験)のN2とN1ってどれぐらい開きがあるの?」という質問から、回答をご紹介。


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参考:
「日本語能力試験(にほんごのうりょくしけん、英語: Japanese Language Proficiency Test、略称JLPT、日能試)は、公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催の、日本語を母語としない人を対象に日本語能力を認定する検定試験である。」
日本語能力試験 - Wikipedia

公式サイトによると、レベルごとの認定の目安は以下の通り:
N1:幅広い場面で使われる日本語を理解することができる
N2:日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる
N1~N5:認定の目安 | 日本語能力試験 JLPT


■回答者1(ベトナム)
日本の語学学校で10ヶ月勉強して、N2は一発合格。試験に向けた勉強はそれほどしてなくて、解答にあまり自信はなかった。でも受かった。

2年後、今度はN1を受けた。2年間で日本語は大幅に上達したと思っていた。前よりずっと速く読めるようになったし、漢字も正確に把握できるようになっていて、ネイティブの人たちが言っていることの8割以上は理解できた。

試験後の感触はばっちり。いくつか間違えたのは分かってたけど、かなり良いスコアで合格したと思った。特にリスニングは満点じゃないかと思った。読解は漢字のせいでいつも目の上のたんこぶだったけど、この時は心配しなかった。

っておい! 180点満点中95点、ギリ不合格だ。(※合格点は100点)

語彙と文法はどちらも25点以下、読解も。リスニングは48点。

N2とN1の違いは、僕が思うに、N2では日本語の一般的な理解力が求められるのに対して、N1では深く正確な理解が求められる点だ。

N2の問題はすごく素直だ。単語が理解できて、文法を知っていれば、合格する。

N1は違う。隠れたニュアンスや話者が意図していることを考える必要がある。きわめてよく似た単語同士の違いを知っている必要がある。などなど・・・

ということで、開きは大きい。2年間日本に住んで働いていても埋められないほど大きい。

(この回答は僕の経験だけに基づいているので、偏っているかもしれない。だとしてもあまり厳しいことは言わないでもらいたい。)



■回答者2(アメリカ)
N1を初めて受けた時は、1年前のN2の時と全く同じぐらい辛かった。N2と同様に沢山の漢字を知っている必要があり、速く読んで何が起こっているのか理解できる必要があり、耳から聴いて覚えておく能力も必要だ。試験はN2よりかなり長く感じたけど、実際はそれほど違わなかった。知らない単語は1つだけあった ― 後で調べたら、日本人の同僚も知らなかった ― けど、文章は長く抽象的で、特に難しい語彙がなかったとしても読むのは十分難しい。

2回目にN1を受けたのは1年後で、N2を受ける友人と情報交換をした。N2の試験問題の冊子は、N1のとページ数は同じ(32ページ)だった。N1で読む文章はN2よりほんの少し長くて、難しい漢字の数もちょっと多い程度だった。

あと他の回答でも触れられているけど、理屈としては、N1で使う漢字は漢字検定2級と同じだ。しかし実際は、JLPTの方が漢字検定の文章よりもかなり自然なので、JLPTの方が勉強するにはずっと易しい。JLPTの長文は、実際普通に信頼のおける文章だ(つまり日本人が日本人向けに書いたもので、試験目的で作られたものではない)。有名なエッセイストのエッセイとかが出る。そのため普段使われないような漢字や単語を見ることは、漢字検定より少ない。漢字検定は珍しい漢字や人の知らない漢字に偏った試験で、単に文章の主要なポイントを理解するよりも、はるかに詳細な知識が要求される問題が多く、従って勉強するのもずっと難しい。

N1で本当に難しい内容はごく一部だと聞いたこともある。言い換えると、N2を満点で合格すればN1も7割程度で合格できる。



■回答者3(日本)
警告:これは辛口の回答だ。

日本語ネイティブとして、JLPTのサイトでN1とN2の問題例をやってみた。まあちょっと酔っていて眠かったが、N1は19問中14問、N2は19問中17問正解だった。

日本の小学生ならN2、中学生ならN1は受かるだろう。

この日本語能力試験に関する批評としては:

良い点:

  • 前半の文法は、理解している必要がある内容であることは疑いないし、良く練られた良問だ。どんな場合でも有用だと間違いなく認める。

悪い点:

  • 読解セクションの問題は、特に本の著者が書いた文章から結論を導き出すやつは嫌らしい。クイズかよ! まあ、僕にとっては小さい頃からずっとある問題で、僕は率直にものを考えるし想像力豊かだから、正しくない解答は選べるけど、正しいかもしれない複数の解答から1つを選ぶのができない。出題者が考える正解よりも、他の解答の方が高度で現実的な解決策に近いと思うからだ。こういうのには本当に反対で、声に出して言いたい。「お前の考えたやり方を強制するな。」
  • 前述の不適切な問題に加えて、「筆者が言いたいことは何ですか?」というのがよくある。しかし僕ならこう答える。「そんなの誰が分かるんだ、どうやって分かるっていうんだ」「筆者にだって確かじゃなくて、何年も深く考え続けた末に本を書き直すことだってあるだろ」「こんなの本全体の中のごく一部じゃないか」。
  • N1のリスニングの問題は、意図的に説明が分かりにくくされている。これは日本語のリスニングのスキルではなくて、記憶力の試験だ!

君がN1に受かったにせよN2に受かったにせよ、僕にとっては全く同じことだ。君と僕は確実に、日本語ネイティブの友達と話すより少しゆっくり、スラングや方言や「青天の霹靂」で出てくるイディオムは抜きで、会話することができる。実生活の会話では主語と目的語なしで話すことが非常に多くて、それには余り役に立たない。

これは日本のビジネスマンになるための訓練だ。「サー、イエス、サー」みたいな。

もし僕が聡明な人物を昇進させるということになったら、読解セクションで正しそうな解答を選んで、その理由を説明できる人を探すね。



■回答者4(匿名)
N2からN1への開きがどれほどかって? 話にならんな。漢字検定と日本語検定を受けてみれば、日本人がガイジンにどれだけ手加減してくれていたのかよく分かる。JLPT N1に受かって築き上げた自信は、漢検で4級にすら受からなくて崩壊したよ。漢字を見せられて択一問題に答えればいいのと、カタカナだけ与えられて漢字を書かなくちゃいけないのでは全く別物だ。

同音異義語、対義語、類義語の山を区別できなくちゃいけないし、ある漢字の部首の名前も答えられないといけない、書き順も分からないといけない。だからそれまではJLPT式にフラッシュカードを使って勉強してたけど、やり直す必要があると分かった。

関連記事:
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またこの試験はネイティブレベルの能力、そして日本人の学生のように解答を漢字で書けることを想定しているので、漢字文化で育っていない人間にとっては試験時間も問題だ。アジア人でなければ本気で辛い目に遭う。私は書くのも読むのも遅すぎて、試験の4分の1にもたどり着かなかった。私のようにいつもPCを使っていて普段から漢字を書くことが少ないだけでなく、書く時には毎回手抜きをしてきて部首が本当には身についていない人は、大きな壁に突き当たる。こうなると、どちらかを選ぶしかない。挑戦を受けて立ち一からやり直すか、それとも漢字検定と日本語検定はネイティブ向けに作られているのだからネイティブに任せて、自分がどこまでやりたいかによって自分の限界を尊重するかだ。



■回答者5(中国)
漢字の国出身の私にとっても、JLPT N1は難しい。

スコアは正解数だけでなく、他の受験者の正答率によっても変わる。中国には毎回満点を取る教師が沢山いる(正解を教えると言って生徒を集められるし、JLPT N1の傾向も知っている)。学校を卒業するのにもN1は必須になっている。すでにN1に合格しているけどもっと良いスコアを出そうとして再受験する生徒もいて、このためN2に受かるより難しくなっている。

N2の基準点は90/180点、対してN1は100/180点。



翻訳元:Quora



N1の問題例をやってみましたが全問正解でほっとしました。



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