海外Q&Aサイトの「『ワンダーウーマン』と『ブラックパンサー』が成功したから、今度はLGBTのスーパーヒーローの映画ができるかな? だとしたら誰?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1
ストレートの男として言うと、LGBTQIのキャラの登場する作品を映画館で見るのは、まだまだ遠い夢だと思う。叩かれる前に説明させてくれ。

コミックスの世界では(他の回答者も指摘している通り)LGBTQIのキャラが以前から出ているが、それ自体は決してメジャーにはなっていない。確かに重要な役割になる場合もあるが、しかしスーパーマン、アイアンマン、ワンダーウーマン等々のような主人公級のメジャーなキャラにはならない。しばらく主人公として活躍することはあっても、地位の確立した他のストレートのキャラのような高みに到達することは決してない。

その上、もし制作会社の経営者が2人のゲイの主人公が登場する映画の製作を決定したとしても、観客数という問題がある。映画製作は巨大なビジネスで、経営者は映画がマスに訴求することを望む。ワンダーウーマンが映画に登場するには、実に長い時間がかかった。経営者の多くは、女性のスーパーヒーローの映画はうまく行かないと考えていた。エレクトラは主に脚本がしょうもなくてダメだった。スーパーガールはもっとひどかった。ところがワンダーウーマンはそれが間違いだと証明した。

さらに加えて、黒人のスーパーヒーローが主演の映画が作られるには何年もかかった。最初は『ブレイド』で ― 人気作の1と2、そしてコケた3 ― 、『ブラックパンサー』は素晴らしかった。『ルーク・ケイジ』は、私が知る限り今まで最高の評価を得た。『ブラックライトニング』も良い。しかしワンダーウーマンが映画化されるのにあれだけ時間がかかり、黒人のスーパーヒーローの映画にはさらにかかったとすると、LGBTQIのキャラには一体どれだけかかるだろうか?

人口統計学的に言って、映画館に行く人の大多数が(人種や宗教や信条によらず)ストレートであることを考えると、そういう人たちは2人のゲイの男や2人のゲイの女がスーパーヒーローになることには興味を抱かない気がする。彼らはこう考えるだろう:「ああ、単にLGBTQIのコミュニティに媚びてんだろ。あいつらセックスするんだぜ」。そこで経営者はこの映画を基本ゲイの視聴者たち ― 人口統計学的にずっと小さな市場 ― に向けてマーケティングすることになり、映画は赤字を出す。誰も望まない結果だ。

厳しい言い方になるのは分かっているが、肝心なのは、ハリウッドとケーブルTV局はあらゆる人に訴求する映画を作るビジネスをしているという事だ。金を稼ぐビジネスなんだ。これは何も目新しいことじゃあない。そのうえ、もっと保守的な層になると、演技やストーリーがどれだけ良くても、単に受け付けないだろう。「でも・・・でもゲイじゃん!」彼らは唾を飛ばして言うだろう。「ジェーンとジョーンがベッドで一緒に寝るとか、マイクとマークが寝るとか、子供に見せられないわ!」

『マーベル ランナウェイズ』は見ていないのでコメントできないが、ゲイのヒーローが登場するのならそれは良いと思う。個人的にはコミックスでも映画でもキャラがゲイかどうかは気にしない。また社会の多様な要素を表現するのは実際良いことだと思う。ムスリムのグリーンランタン ― いいじゃないか? コミックス版ではバイセクシュアルやパンセクシュアル(※全性愛)のキャラも存在する ― 他の回答者はデッドプールとハーレイ・クインを指摘している ― が、ハリウッドでそれを描くほど勇気のある人物となると・・・今のところ、可能とは思えない。

大事なのは脚本だ。キャラのそうした指向を強調すると、視聴者にそっぽを向かれることになると思う。しかしキャラの姿勢、恐れを知らない態度、地球や貧しい人々のために戦う心、不正と戦う心といったものを強調するなら・・・うまくいく可能性はある。その場合キャラの志向は結果論になるだろうし、またそうなるべきだ。しかし私は、映画を見る人の大部分は、映画館でゲイの主役のスーパーヒーローを見るという考えを決して喜ばないという感じがする。全部、個人的な意見にすぎないが・・・



■回答者2
できない。中国の国家新聞出版広電総局(SAPPRFT ※中国国務院の直属機構で、中国全土のテレビ・ラジオ・新聞・出版社を管轄する機関)による検閲ガイドラインの第3項は、以下のものを公開してはならないとしている:

「(3) 卑猥で低俗なコンテンツを公開すること、乱交、強姦、売春、性行為、倒錯、同性愛、自慰、男性または女性の性器を含む陰部の場面を露呈すること、および猥褻で低俗な会話、歌謡、背景音楽、効果音を含むこと」

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でダンブルドアがゲイになっていないのはこのためだ。ゲイのコンテンツは、中国では自動的に禁止になる。

参考:
「「Entertainment Weekly」が監督のデヴィッド・イェーツに『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でダンブルドアがゲイとして描かれるかどうかをインタビューで尋ねると、イェーツ監督は「あからさまな表現はないよ。でも、ファンのみんなはそういう(彼がゲイである)ことだって気づいてるよね」と返答した。」
ダンブルドアが同性愛者として描かれない『ファンタビ2』に批判殺到 | cinemacafe.net

中国の興行収入は、現在世界2位の規模だ。四半期では最大になる場合もある。中国がこの検閲法を変えない限り(当面ありそうにないが)、今後もLGBTのキャラを映画に出すことと、中国が見せる数億ドルとの間の選択になる。

そして現時点では、中国は常に勝ち抜いている。これについて、私は以前にも書いた:エンターテインメント産業の驚きの事実を教えて - Quora(英語)



■回答者3
そう願っている。

そうならない理由があるか? ストレートのスーパーヒーローは百万人いるんだから、そろそろLGBTのスーパーヒーローが少なくとも1人は出てきていいだろう。

いくつかの映画ではもう少しというところまで行った。デッドプールはコミックスだとパンセクシュアルだが、映画ではその点は触れられなかった(次回作に期待するが)。マーベルが「アルティメット・ユニバース」のコミックスを出した時も、コロッサスはゲイだったが、出演した映画ではいずれも彼のセクシャリティには触れなかった。ハーレイ・クインはコミックスではバイセクシュアルだが、これも映画『スーサイド・スクワッド』ではほぼ無視されていた。X-メンのアイスマンはここ数年間ゲイのキャラになっているが、この後付け設定がされてからは1本も映画に出ていない。映画『ワンダーウーマン』には、コミックスの通り彼女がバイであることを簡単に示唆する部分があるが、これは解釈の余地が残されている。

だから私は、今後の映画ではこれらすべてのキャラについて、規範となるセクシャリティが認められることを願っている。

もっともこれはそう大きな願いではない。『マイティ・ソー バトルロイヤル』のヴァルキリーはバイと思われるが、それを確証する場面はカットされた。同様に『ブラックパンサー』では、2人の女性キャラが戯れる場面があったと思われるが、これもカットされた。なので私は、MCU(※マーベル・シネマティック・ユニバース。マーベル・スタジオが製作するスーパーヒーロー映画作品が共有する架空の世界、及び作品群の総称)は明らかにゲイの主人公キャラを、誰かが先にそれをやって成功するまでは出さないつもりなのだと思う。『ワンダーウーマン』が公開されてから、やっと女性主人公の映画を作ることに決めたのと同じだ。

デッドプールのセクシャリティは、次回作かX-フォースの次の映画でもっと明らかになる可能性があるが、しかし私はあまり期待はしていない。デッドプールがカミングアウトする台詞を入れるとは思えないし、ライアン・レイノルズ(※デッドプール役)もモリーナ・バッカリン(※ヴァネッサ役)の代わりに男といちゃいちゃしたいとは思わないだろう(そして誰が彼を非難できる?)。

以上述べたすべてのキャラの中で、私が最もそのセクシャリティが確認される可能性が高いと思うのはハーレイ・クインだ。マーゴット・ロビー(※『スーサイド・スクワッド』のハーレイ・クイン役)は最近、次のハーレイ・クインの映画はR指定の女の子のギャング映画になるだろうと告知している。私はこれが、ポイズン・アイビーが登場し関係をもつという意味であることを期待している。私はLGBTのキャラはあらゆるレーティングの映画に登場するべきだと思うが、この映画がR指定になるというのは、ずっと大きな自由が与えられるということなのだから期待が高まる。ただ不安になる要素もある。PG-13指定以下の小さな視聴者もいるし、彼らは中国の市場に大きく依存しているだろうから、LGBTのキャラは一切許さないだろうからだ。

しかしまだ紹介されていないLGBTのスーパーヒーローについては、良いキャラが沢山いる。私のイチ推しは:

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2代目クエスチョン、レニー・モントーヤ。警察の腐敗に嫌気が差してゴッサム市警察を去った元警官。彼女はその後、癌で死にかけている初代クエスチョン、ヴィク・セージのもとで新たなクエスチョンとなるべく訓練を受けた。ここには映画向けの良い素材が沢山あると思う。準備ができる前に師を失った、若くて経験のないスーパーヒーローになれる。映画化されたら、クールなフィルム・ノワール風になるだろう。本当にクールなミステリー仕立ての、ただしスーパーヒーローの登場するストーリーにしてもいい。また『ブルックリン・ナイン-ナイン』(※警察署を舞台にしたコメディドラマ)のステファニー・ベアトリスは、この役にパーフェクトだと思う。

あるいは:

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ミッドナイターとアポロ。これが映画化されたらどんなに素晴らしいだろう? 彼らは基本、バットマンとスーパーマンだが、ただし幸せで健全で、愛に満ちた関係にある。これらの男のスターが映画に出れば大きな進歩になるだろう。ゲイの関係にあるゲイのスーパーヒーローたち、焦点を合わせるのはスーパーヒーローという点で、ゲイであることはただの結果論だ。たしかに、「ホモセクシュアルを無理強いされる」ことに文句を言う同性愛嫌悪の人はいつもいるが、しかしそれは彼らの問題だ。

以上はわずかな例にすぎない。他にも多くの選択肢がある。私たちはあらゆる種類の集団を代表するスーパーヒーローを作り続けるべきだ。



翻訳元:Quora



しかし日本は自由ですよね・・・



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