海外Q&Aサイトの「外国人として問題に直面することになるのが分かった上で、あなたが日本に移住した理由は?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(フランス)
日本に移住したのは11年前だけど、当時は日本のことはあまりよく知らず、日本語もほとんど話せなかった。フランス人の友人が広島に長期で滞在していて、素晴らしくクールな日本人の友人がいたので、2006年に好奇心から広島で彼とひと夏過ごした。まだ30前だったから、2007年にはワーキングホリデービザでもう1年行くことにした。

日本に住んで数ヶ月経ってから、他の外国人が日本で経験したことについて話しているブログやフォーラムを読み始めた。そこにあったのは、大量の不満だった。でも私にはいつも、彼らが別の国かパラレルワールドの話でもしているみたいに思えた。

彼らが話をでっち上げているという意味ではなくて、ただ彼らが不満を言っているような問題が、ほんと私は個人的になかったのよ。

曰く:日本では友達を作るのは不可能だ。いつまでもよそ者みたいに感じる。日本人はいかさま師で偽善者だ。四六時中じろじろ見られて、バスでは誰も隣に座ろうとしない。クレジットカードは作れない。会うのはレイシストと南京大虐殺を否定する人ばかりだ。英語の教師になるか、上司が帰宅すると決めるまで居残っていなければならない会社で働くしかない。完璧な日本語で話してもいつも英語で返してくる。質問をしたのが自分でも、一緒にいる日本人にだけ返事をする。退屈で底の浅い会話をする人にしか会わない。他人の家に招かれることはない。義理の両親には嫌われるか、ほぼ受け入れてもらえない。一緒に飲みに行きたかったら3週間前から誘っておかないといけない・・・

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まあたぶん私は運が良いんだろうけど、このうちの一つも私の身には起こったことがない。もちろんレイシストとか、外国人と外国について馬鹿げた偏見を抱いている人、話の退屈な人、等々には、自分の国や他の国で会うのと同じぐらい会ったことがあるけれど、いつまでも不満を言って馬鹿で退屈な人たちのことを気にかけたりはしない程度に面白い人たちもいる。

私は自分が日本にいるということばかり考えたり、物事の悪い側面や、自分の国にはあるけど日本にはないものに注目したりはしないで、単に日々の生活を送っている。逆に、自分の国にはないけど日本にはあるものを楽しんでいる。

まあ正直に言うと、ちょっと不満を漏らすことはある。チーズは高すぎるし、カフェとレストランのテラスは少ないし、夏は日が暮れるのが早すぎるし、バケーションは短すぎるし、夜のTV番組は大抵がバカバカしい。けど、こうしたちょっとした第一世界の問題を除けば、日本での生活は素晴らしいし、あるいは単に「普通」かもしれない。私は狭いアパートには住んでいないし、朝晩2時間地下鉄で押し潰されてもいないし(家から職場へは自転車でたった15分)、仕事は楽しいし、残業を期待されることもなく家に帰れる。上司と同僚との関係も良好だし、彼氏のご両親は心が広くて進歩的でもっと親密になりたいと思っている(70歳以上という年齢にもかかわらず)。私は(日本人の)友人たちと貴重な時間を過ごしていて、お互いの家を訪問することもある。住んでいるところのサイコパス1人を除くと近所の人たちはみんな挨拶してくれるし、年配の人たちはエレベーターで私と世間話をする。

とにかく、私は日本について大きな期待を抱いたことがなくて、完璧な国だと考えたこともなくて、日本人は自分たちの問題(労働環境、男女平等、性差別、人口の高齢化等)を、西洋人の私のアドバイスなんかなしで解決できるといいと思っている。それぐらい自分でできる大人なんだから。

質問で聞かれてもいないことが回答に多分たくさん入っているのは分かるけど、文脈を添えようとしたということで。

追記:日本についての私の「第一世界の不満」で、すごく大事なのを一つ忘れていた:洗濯機がお湯で洗ってくれないという事実。

(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾



■回答者2(アメリカ)
俺が引っ越し前にデューディリジェンスでもしたと思うのか!?

参考:
「投資やM&Aなどの取引に際して行われる、対象企業や不動産・金融商品などの資産の調査活動」
デューディリジェンス - Wikipedia

まさか。単に海外を経験したかったんだよ。1週間のバケーションではできないやり方で、ある文化にどっぷり浸かりたかったんだ。

仕事もあったし、友達もガールフレンドもいた、アパートもあって学資ローンは完済済みだった。外国人が直面する問題なんて考える暇はなかった。そんなのは役得の一つだ。湧いてくる問題に取り組むことも筋書きの一部だった。見知らぬ文化が良かったんだ。

直面した問題と言えば、書類仕事が多すぎること、あるレベル以上には昇進できないこと、英語が分からないか、外国人と話すのを恐れてさえいる人たちだ。こんな問題は、故郷でマイノリティが直面しているやつに比べればかすんで見える。日本に来たのは、ロドニー・キングが暴行を受けた(※1992年のロス暴動のきっかけの一つとなった事件)直後だった。こっちでは、あんなことは起こらないだろう。

だから比較すると、生活は非常に良好。文化の違いなんて面白いもんだ。

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■回答者3
広州(※香港)の大学を卒業するとすぐ、2014年に京都に来た。そして2015年に学校の卒業許可を貰ってからは東京に住んでいる。

2018年8月時点では、外国人としてそれほど不快な経験はしていない。ただアパート賃貸の契約に漕ぎつけるまで、家主は大抵が余分な書類仕事と、厳重で精密な規則の遵守を求めることが多い。

日本に引っ越そうと決心したのは、一種の逃避だった。僕は学部の卒業証明書を、自分の国では高く評価されていない大学で取ったんだ。僕みたいな境遇の学生が就職市場に出たり学業を進めようとしてどんなに辛い目に遭うか、みんなが数しれぬ経験を話しているのを聞くまで、この問題の深刻さを認識していなかった。そういう人の多くは、大学の種類や名前だけを理由に、周囲の人々から良い扱いを受けなかったんだ。

一部の企業や団体がそういうことをする理由は、分からなくもないけどね。単純に候補者が多すぎて、何らかの形のフィルタリングに頼らざるをえないんだ。でもこういうよくあるやり方は、生涯続く差別を作り出すのと同じようなものだと思った。

ある晩、クラスメートたちと議論をして、自分たちのキャリアを脅かす状況を査定した末に、母国を恒久的に去るのがゲームチェンジャーになりうるという結論に達した。ただし、リスキーな賭けではある。

経済的には父に援助してもらって、行き先を日本にして、僕はそのリスクを取った。他のクラスメートたちは、自分の個人的な状況に基づいてそれぞれの選択をした。

日本は僕にリセットを与えてくれた。約2年後、修士課程では満足のいく学問的達成はしなかったものの、ソフトウェア開発者として自分の望んだ形でどうにかキャリアをスタートさせた。

僕はこの賭けではツイていたわけだ。



■回答者4(アメリカ)
冒険への挑戦。退屈への恐怖。

日本には1992年に移住して、それ以来山ほどの冒険に出会った。常に楽しかったとは言えない。まったく違う。しかし常に興味深くはあり、それが私の求めていたものだった。

私の決心は、ある日、コロラド州のフーザー・パスでやって来た。完璧な、光かがやく1月の日だった。下には24インチの電動自転車と、バックカントリー用の良いスキー板があった。完璧な瞬間だった。何年も探していたような一日だ。

参考:
「バックカントリーとは、山野のうち手付かずの自然が残っている整備された区域以外のエリア[1]。これらの区域でのスキー、スノーボード、キャンプは、バックカントリースキー、バックカントリースノーボード、バックカントリーキャンプと呼ばれ、「バックカントリー」はこれらの略語としても用いられる。」
バックカントリー - Wikipedia

私はアリゾナで育って、家を出てからは大半の年月をコロラドで過ごした。その瞬間、次は何をしようか、と思った。私は峠に到着し、別の方角に自分を向きかえる必要があった。次は何をしようか?

自分がこの山々に毎年戻ってきて、年を経るごとにアウトドアスポーツに熟達して行くことは分かっていた。それは確実なことだった。

しかし、自分が知っているものの中から自分を完全に取り出してみたら、どうなるだろう。ロッキー山脈から取り出して、世界最大の都市の中に置いてみたら? そうしたらどうなる? 私は言葉も分からない。そこの習慣も知らない。1年前に3週間行ったことがあるだけだ。東京には空手の友達が数人いて、それだけだ。面白いだけでなく、実にハードだという気がした。

そこで、日本に行くことにした。自分にできると分かっていることと、やり方も分からないことを比べたら、決断は容易だった。

後悔したこともあったが、そう長くはなかった。私は何より退屈を恐れて辛い道を選んだのだ。それからはカリフォルニアに3年間いたのを除いて、26年間東京にいる。退屈はしなかった。両親ときょうだいには辛いことだったし、私にも辛いことだった。しかし常に興味深いことだった。



翻訳元:Quora



期待が高すぎるとギャップも大きいんでしょうね。



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