海外Q&Aサイトの「日本の企業は終身雇用があるのになぜ成長できたの?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(アメリカ)
日本と西洋の文化的な違いを考えると終身雇用にも利点はあるのだろうが、しかし終身雇用を提供する企業が日本でうまく行ったのには、もっと単純な経済的な理由がある。

実際のところ、日本の民間企業には終身雇用はもう存在しない。終身雇用が一般的だったのは、日本に熟練労働者が不足していて経済が急速に発展していた'60年代から'80年代初頭のことだ。

そのような環境下では、大企業にとっては終身雇用を提供するのが最も得策だった。企業は給与の釣り上げ合戦をせずに新たな事業を推進するのに必要な社員を確保できるし、制度としての非効率性は急速な成長によって取り繕われていた。企業が成長し利益を出し続ける限り、従業員の生産性の低さを本気で心配する者はいなかった。従業員を忙しくさせる理由は常に何か存在したのだ。

この慣習は、'90年台に成長が停滞しバブルが弾けると、日本株式会社に悪い結果をもたらした。終身雇用のような伝統と呼ばれたものの多くは、日本の大企業にとってもはや利点がなくなったので、提供するのをやめた。

要するに、高成長で労働力不足の環境下では終身雇用に意味があり、日本企業はそれを推進した。低成長で労働力過剰の環境下では意味がないので、日本企業はこの慣習をやめた。

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■回答者2(中国)
そう、僕が初めて日本企業に雇われたときに思ったのがまさにこれだ。

会社の先輩たちは実際終身雇用なんだと言っていた。極端に悪いことをしない限り、例えば何の理由もなく1ヶ月も職場に姿を現さないとか、みんなの前で同僚をフルボッコにするとか、会社の金を盗むとかしない限り、クビにはならない。永久に雇ってくれるみたいなものだ。

ワオ!

これはつまり、どんな馬鹿で怠け者で出来の悪い人間でも、退職まで給料をもらえるってことか? のんびりお茶を飲んで時間を潰す生活が始まるってことか? 頼む、この夢の従業員天国から僕を起こさないでくれ・・・

本土の中国人として、僕は両親が若く働いていた頃に、このような「社会主義的制度」を目にした。生涯保証されている仕事という意味で「鉄のお椀」と呼ばれる。1980年代後半、中国は考えをまるきり変えて、資本主義的な「自由市場」の経済制度を実行することに決めた。経済を刺激するために企業がまず最初にやったのは、「鉄のお椀を割る」ことだった。終身雇用も平等主義も年功序列もなくなった。今ではほんのちょっとしたミスでクビになることがある。隣の同僚ほど出来がよくないとか、単に上司に嫌われているとか、同じ仕事をもっと安い給料でできる若い子がいるとか、さらには何の理由もなくてもだ。

日本の雇用契約書に署名した瞬間、僕は資本主義国でこんな天国のような社会主義的福祉を手に入れたんだという気分だった。

目を覚ませ! 現実を見ろ!

僕は職場で美味しい日本の緑茶は飲んだが、日本でのんびり怠けた会社生活を送ることは決してなかった。

職場の誰もが狂ったようにせっせと働いていた。平日5日、8時間だけじゃない。深夜や週末も、ずっとだ。僕の管理者のあだ名はセブンイレブンだった。職場の誰も夜9時より早くには帰らず、誰もが就業時間の30分前に職場に着いていた。同僚たちは会議室に、食堂に、トイレに突進した。奥さんや親から電話があると、まるで会社の時間を私用で30秒無駄にするのが大犯罪ででもあるかのように、トイレに隠れてひそひそ話した。深夜の焼き鳥&ビールの時間になっても、同僚の多くは雑談していた・・・仕事のことを!

席を外すときには、君はホワイトボードに行き先を書かなくてはならない。職場では誰も笑ったり、冗談を言ったり、雑談をする人はない。先輩は後輩を見張っている。後輩は先輩を見ている。君は残業しても給料が出ないことは分かっている。どれだけ一生懸命働こうと、ボーナスが出るわけではないのも分かっている。どれだけ素晴らしい業績を上げても、先輩より先に昇進することがないのも分かっている。それでも君は一生懸命働く、一生懸命働く以外の道はない、なぜなら・・・

周囲の目があるから。

誰もが「一生懸命働くこと」(日本語で「ガンバリ」)を基本的な道徳として、人生の原則として、そして人生そのものとして高く評価する国に君はいるんだ。誰もが同じことをして、他人にも同じことをさせて、自分も同じことをさせられる。24時間365日、そういう他人の目を感じている。

同じことをしろ、一生懸命働け、みんなが見ているぞ。

怠けるのはだ、そして「他人と違う」のは最も恐ろしいことだ。

社会的なプレッシャーは信じられないほど強く、従業員には大したインセンティブ(例えば賞与の差)もペナルティ(例えば解雇)も必要ないほどだ。

一生懸命働く精神は、日本の企業が見事に成功し、日本が今の日本に到達するのに役立った。

上の回答者も言っているように、経済の低迷にともない、この制度にはもう利点がなくなっている。今では終身雇用を諦める日本企業がどんどん増えていて、従業員も良い条件を求めて転職を繰り返すことに慣れてきている。中途採用者は大幅に増えた。

一生懸命働く精神は今もまだある。その効率性にはしばしば疑問が付されているが(速度も大きな問題だ)、「メイド・イン・ジャパン」は依然として高品質の保証だ。

中には、今でも終身雇用を好む分野や会社もある。結局のところ雇用者としては、従業員が会社を家と考え、仕事を人生の目標と考え、人生そのものとすら考えてくれるなら、ありがたいことだと思うだろ?

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■回答者3(インド)
従業員と会社の間に信頼という要素があるのだと思う。日本では労働組合が比較的強くて、会社は労働組合の要求のかなりの部分を受け入れるし、組合と会社の間には常にオープンな対話が存在する。

組合も従業員も、自分たちが働かなければ会社は損失を出し存続できなくなるということが分かっている。日本にはトヨタやホンダといった巨大企業があるが、大半の日本人は従業員10人程度の非常に小規模な企業で働いている。

会社が小さくて、よくあるのは家族経営のような場合、会社への愛着が生じる。さらに、日本人は仕事に誇りを持っていて、働きの悪い人はごくわずかしかいない。



翻訳元:Quora



転職率はまだまだ低いと思います。



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