海外Q&Aサイトの「中国人が靖国神社に行くのは賢明なことだろうか? 東京に行く予定で、靖国神社に行ってみたい。靖国神社については2年生のときから教わっていて、興味がある。でも自分は中国人だし、日中間の緊張は高まっている」という質問から、回答をご紹介。


■回答者1(台湾)
僕は「ノー」と答えようと思うが、その理由はたぶん君が思っているのとは違う。

4月に両親と一緒に東京へ行った。白状しなくてはならないが、僕は実際には靖国神社には行っていなくて、父が行った。秋葉原に行くことになっていた日のことだった。でまあ、秋葉原に行ったんだが、父はアニメとゲームにはまったく興味がないから、長居したがらなかった。僕があらゆるクレーンゲーム(日本ではUFOキャッチャーと呼ぶ)でせっせとお金をなくしている間に、父は一人でこっそり抜け出して靖国神社を探しに行った。そのとき僕は一緒にいなかったんだけど、以下は父が詳しく語ってくれたことだ。

父によると、靖国神社に行って信じられないほど驚いたそうだ・・・神社の中にも外にも、抗議者がたくさんいると思っていた。戦死者に敬意を払う人がたくさんいると思っていた・・・あるいは、大日本帝国のためのプロパガンダが大量に展示されているかもしれないと。実際には、父はそのいずれも目にしなかった。父が驚いたのは、その日靖国神社は信じられないほどひとけがなかったことだ。私たちが訪れた二つの神社、明治神宮と浅草寺と比べると特にそうだった(どちらの神社も日本人と外国人で信じられないほど混雑していたことは、僕自身が請け合える)。

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僕が行った日の浅草寺の外。混雑しているのが分かるだろ? 父によると、その日の靖国にはこの群衆のほんの一部程度の人しかいなかった。

僕たちが泊まったホテルの近くに小さな神社があった。この神社が何なのか、僕たちはすごく気になって、調べたいと思った。ところが、東京に滞在していた1週間で、この神社を訪れる人は文字どおり一人も見かけなかった(道を行く人も見向きもしなかった)。そのため僕たちはがっかりして、その神社に行くこともなかった。

父は靖国から戻ってくると、日中関係の問題となっている靖国問題の解決策について、違った見方をするようになったと言った。父の結論はこうだ。靖国神社が右翼政治家を招き寄せ、歴史教科書の改定を支持して論争を巻き起こす原因は、この神社がレイシズム的でナショナリズム的だからだというのはあまり当たらない(まあ実際そうかもしれないが、原因としては二次的なものだろう)。靖国神社が脚光を浴び続けるために論争を必要としていることが原因だ。

日本の政治家が次にこの神社を訪れたら、中国は完全に無視するべきだ。靖国が有名なのは、大臣が訪れるたびに中国が抗議するからにすぎない。誰も靖国神社に注意を払わなければ、ちょうど東京の僕たちのホテルの外にあった神社のように、靖国神社は重要性を失い無名になって行くだろう。

追記:無視はありえないという怒りのコメントが大量に付いている。結構だが、じゃあどうするべきだと思う? 抗議する? 僕たちは文字どおり何十年と抗議してきたが、それが僕たちの目的に何か役に立ったか? 一方、日本の右翼たちは靖国神社を右翼活動の中心としてその周りに集まっている。普通の日本人は右翼運動に共感を抱き始めている。右翼たちは日本人に反中国プロパガンダのための攻撃材料を大量に与えている。結論として、君らに聞きたい:靖国神社に対して抗議することは、僕たちの目的にとって何か良い結果を産んだか?



■回答者2(中国系)
「平和は暴力を通じては達成されない。理解を通じてのみ成し遂げられる」(※ラルフ・ワルド・エマーソンの言葉)。だから「大方」(※寛大)になって、最初の一歩を踏み出そう・・・

靖国神社は、無数にある日本の神道の神社の一つで、本質的には他の神社と変わらない。君が神道を信じていないのなら、この神社について特別なことは実際何もない。

唯一特別なこと(宗教的なこと)は、靖国には明治維新以来の日本の戦死者と並んで、A級戦犯が祀られているということだ。問題は、神道の信仰では合祀の取り消しがないということだ。

A級戦犯を祀ることは日本でも物議をかもし、天皇と戦犯の家族は反対した。その理由が今日の問題を予見していたからにせよ、理屈上A級戦犯は戦争で死んだわけではなかったからにせよ・・・A級戦犯は戦後の裁判で犯罪者として処刑されたのだ。

日本人は中国から来る人々を不快に思ってはいない。そして(私の意見では)中国人は靖国について常に広い心を持つべきだ。超国家主義者たちは、彼らが(個人的に)同意している信念にしたがって祈りを捧げるだけでなく、もっと実際的な問題も引き起こしている。

君が神道を信じているのなら、戦犯の神は中国から来る人々を不快に思っているかもな・・・「一体全体、連中は俺の聖地で何をやっていやがる?!?!」



■回答者3(中国)
非常に興味深い質問だ。こういう質問を長い間探していた。実際、私は2014年に東京へ旅行に行った際に靖国神社へ行った。遊就館という博物館にも行った。銃と、零式という戦闘機の前に立った。私の先祖がこれによって死んだのだ。目の前にあるこの機械が無数の罪のない中国人を殺したのかもしれないと思うと、魂が揺さぶられた。私はこの神社を謹んで憎悪する。醜い小国が、程度の低い貧しい農耕社会から工業化した先進国へと転換して、巨大ないにしえの地を侵略したのだ。奇跡だ。そして恥ずべきことだ。

私たちには、これに対応する建物として南京に霊谷寺があり、私はここにも以前厳粛な気持ちで訪問した。第2次大戦中に自由のために自らを犠牲にした英雄たちが、大きな石版にその名を刻まれている。そのほとんど全員が日本人に殺された。私は悲しみよりも敬意を抱いた。肩に大きな重荷がのしかかるのを感じた。私たちの子孫 ― 子供たちとその子供たちに、これを繰り返させないためにはどうしたら良いだろうか。

参考:
「1933年に国民党により国民革命軍陣亡将士公墓の祭堂として改築され、四方の壁には110の石碑が埋め込まれており、国民革命軍の戦死者たちの名簿である国民革命軍陣亡将士名単が刻まれている。」
霊谷寺 – Wikipedia

靖国で、私は中国がいかに弱かったかを感じた。霊谷寺では、私たちの先祖がいかに勇敢だったかを考えた。この二つの訪問の後、自分たちの世代がどれほど重い責任を背負わねばならないのかが分かった。

靖国に行ってみることを勧める。私たちの言葉で言うと、「知耻而后勇」だ。

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■回答者4
賢明でも愚かでもない。行くべきかと言うなら、特に行くべきというわけではない ― 明治維新以来のすべての戦死者に加えて、数人の戦犯を崇めているということで(悪)名高いことは事実だが、しかし本当の理由は、実際には何も魅力的な要素はなくて、限られた時間はもっと興味深い場所を見に行って使ったほうが良いからだ。見るべき場所は1,000以上ある。

靖国神社の歴史を知らなければ、中を一通り歩いて、ぱっとしない、他の1,000ヶ所と違って時間を費やすには値しない、むしろ退屈な神社だと思うだろう。しかしもし見てみたいという燃えるような情熱があるなら、行ってみるといい。

一番の違いは、いたるところに警官と警備員がたくさんいること ― そして、中では政治的なデモが禁じられていることだ。

「博物館」については、金を払おうとは思わない。ホロコーストを否定する「博物館」に行こうと思わないのと同じだ。

お寺や神社が見たいのなら、浅草寺、明治神宮、増上寺、泉岳寺があるし、いっそのこと鎌倉か日光に行ってもいい。



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■回答者5(アメリカ)
日本の天皇は家族に靖国神社へ行くことを禁じている。

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靖国神社は特に古い神社ではなく、明治維新で亡くなった人々を偲ぶために、天皇の命令で1869年に建てられた。それ以後の天皇たちは、戦没した兵士たちへの敬意の表現として、この神社を訪れるというしきたりを始めた(注)。

しかしその後、1978年にA級戦犯が合祀された。それ以後、当時の天皇・ヒロヒトは二度と靖国を訪れなかった。彼の後継であるアキヒト天皇も、父に従って一度も訪れていない。

靖国は「われわれvs彼ら」の問題として日本の隣国にとって物議をかもすだけでなく、日本国内でも物議をかもしている。

そういうわけで、行くかどうかは君が決めることだ。政治家から天皇まで多くの人が、この神社を訪れることの意味について意見を述べている、ということだけ知っておけばいい。


(注)当時も議論があったことだが、徳川幕府の忠臣たちは「天皇や日本の敵」であるため祀られず、また今に至るまで祀られていない。「反逆者」の子孫たちは、徳川幕府軍の側についた人々を差別しない別の神社を讃えている。



■回答者6(アメリカ)
ノー。

あれはゲームにすぎない。そしておめでたい人たちが政治家に利用されているんだ。

元・中華民国(台湾)総統で、そして第2次大戦中に日本と戦い中国本土を支配した国民党の主席、李登輝。国民党には、1949年以降に本土から台湾に移民した多くの名門の人々と、中国本土で日本人と戦った人々が、党員として所属している。李登輝が靖国神社を訪れる(英語)のが重大な出来事だったのは、誰が「裏切り者」(漢奸)で誰がそうでないかという主観的な考えに基づくものではなく、これが理由だった。普通の日本人も、どんな形にせよ戦犯を支持はしていない外国人も、毎日靖国神社に参拝している。

「戦争では全部で30,304人の台湾人が死亡し、東京の靖国神社に彼らの名前が記されている。その中には台湾の元総統、李登輝の兄・李登欽も含まれている。」

志願兵:戦時中の父の日本軍とのつながりと和解する台湾人男性 | South China Morning Post(英語)

実際のところ、あの神社は何てことはない・・・

不快なものがあるとしたら博物館の中だろう。神社に隣接していて、入館料が必要だ。日本に西洋の侵略の被害者役を割り当てる、第2次大戦中の日本に非常に同情的な、大日本帝国のプロパガンダがある。

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私は神社とその隣の博物館に行ったことがある。神社は大したことはない・・・博物館は写真撮影禁止だった・・・

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写真は私。

もう何枚か貼っておく。

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盛り上がってはいないね・・・70歳以下の人はほとんど見かけない。



■回答者7(アメリカ)
個人的には、靖国神社に行く人について何か問題があると思ったことはない・・・現に私も行った。死者を敬うことは、特に、祀られている人の大半はA級またはB級戦犯ではないのだから、気後れを感じるべきことではない。それを言うなら、奴隷所有者や第2次大戦の英国と米国の空軍パイロット、文化大革命の紅衛兵の墓地、国民党の情報将校、等々の墓地にも行くべきではないということになる。

靖国神社に行くといい。日本の過去150年間のさまざまな戦争で戦った人々に会うんだ。親戚や他人が死者をどのように敬っているかを見て、中国の主流メディアで目にするプロパガンダ化されたニュースと比較し、そして靖国神社に行くことの倫理的な当否について自分で結論を引き出すことだ。きっと、私と少し似たことを感じるだろう。



翻訳元:Quora



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