海外Q&Aサイトの「日本と日本の文化についての最大の誤解って何?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者(Kimmie King アメリカ)
日本の学校のシステムが素晴らしいということ! 母国から来た人に現実を語ろうとすると、いつも信じようとしないの! でもALT(外国語指導助手)をやってみれば、自分がどんな世界にいるかすぐに分かるわ。ただ、これがほぼ私の個人的な経験の寄せ集めだという点には注意してほしい。何か付け加えてくれたら、私の回答にとってはすごく助けになる。:)

もしあなたが試験の点数がすべてだと思っている人なら、議論することは何もないと思う。日本の教育システムは、受験生を作り出すことにかけては素晴らしい。けど・・・試験の点数はここ数年低下してきている。日本の学校が何をやってもダメにという状態になるのは、たぶんそう遠くないことだと思う。

どこから話を始めようか・・・うーん、じゃあ教師の話から。米国だと、教師は大学で教育のプログラムをすべて履修して、現代的な教育メソッドや子供の発育について学ばなければならない・・・ドラッグをやっているかもしれない子供に気づいて、助けてあげられるように、ドラッグについての講義も受講しなければならない。(追記:これは州によって違うけど。私が書いた内容は、ニューヨークに住んでいたのと、彼氏がテキサス州出身だという自分の経験から知ったことに基づいている。)ところが日本では、授業内容のテストがあるだけ。

彼氏は米国で普通の教職持ちなんだけれど、日本でそれと同じレベルなのは教育長だけなのよ! 英語教師の多くは英語専攻ですらない! 授業の計画立案みたいなものは、ほぼ、あるいはまったく存在しない!! その結果、教師たちは自分でも何をやっているのか分からないし、仕事に対して本当に情熱を抱いていたとしても、十中八九ひどい仕事ぶりになる。そのうえ働きすぎで、授業の品質をいっそう低くしている。夏休み、冬休み、春休みもなく一年中学校に通わなければならない。米国だと、教師はせいぜい家でお気に入りのTV番組を見ながらCMの間に採点をする程度だけど、日本では遅くまで学校に居残りをさせられる。

私の生徒たちは、愛と敬意を抱いて学校で努力するみたいなパーフェクトな天使ではない。すごくよく耳にするのは、日本の子供たちは教師を尊敬し、学校に誇りを抱き、そして日本がいかに素晴らしい国かについて誇りを抱いているという話! そんなことない。全然違うわ。子供なのよ。そして子供というのは普通、学校のことをそんな頑張りもしなければ、興味もほとんどない。私のクラスにも大人しくて英語を話す子はいるけれど、そういう子でも集中できなくなって友達とおしゃべりをすることはある。「授業にほとんど参加していない」というのが60人中40人ぐらい、60%だと思う。単に子供は子供なのよ。

生徒が学校の掃除をするという賞賛もよく耳にする! これも・・・子供よ。頑張って始めることもある。「こともある」。でもその後飽きて、残りはいい加減にやる。たまに1年生や2年生は、私が外国人なのでじっと見ていて、何もしないことがある。誰もそれを直してやりもしない。そういう子は掃除が下手だし、ずっと下手なまま。


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たいていの子供は、試験問題に沿った道筋以外には、既成の考えにとらわれずに考えることができない。生徒たちは質問をしたり自分を表現する気がまるでなくて、正解しなくてはならないというプレッシャーがすごく強いので、たいていは3年間正式な英語の勉強をしても、間違うことを恐れて英単語ひとつ口に出すこともできない。落ちこぼれる子供もいるけれど、そうすると、間違えてはいけないので永久に落ちこぼれ続ける。子供の平均点が100点満点中5点? 問題ないわ! みんなよく、日本は卒業率があんなに高いと言って、印象的なことだと称賛する。うん、すごい・・・生徒は文字どおり、出席さえしていれば良いんだから。

ところが。その後、入学試験がやって来る。人生が上手くいくかどうかの一度きりのチャンス。実際子供たちの多くが学校で何もしないのは、入学試験に合格することだけを気にかけているからだと思う。このプレッシャーはすごく強い。子供たちは小さいころから塾に通う。人生は文字どおりこの試験を中心に回る ― 落ちたらそれきり、取り返しがつかない。絶対に。どんな学校に行ったかで、どんな仕事に就けるかが決まる。一生。日本の学校は試験のためだけに存在しているってよく思うわ・・・実際にはそこまで極端ではないにしても、そんな感じがすることは多い。

それから・・・他には・・・ああ! 学校給食! 学校給食のプログラムがいかに素晴らしいかをがなり立てる記事はずいぶん目にしてきた。生徒たちは教室で給食を食べていて、たしかにこれはすごくユニークなことだわ。でも食べ物の質ということになると、米国と似たり寄ったりだと思う。中には、リソースが潤沢で、野菜と肉とスープ、ご飯か麺類、あるいはパンの、素晴らしく美味な給食の出る学校もある。これは美味しい。でも私の知り合いの外国人の教師の多くは不満を言っている・・・バラエティがほとんどなくて、いつも魚、日本のサラダとご飯と味噌汁・・・味噌汁は煮えすぎているし・・・野菜はいつも漬物ばかり・・・まだまだ続けられる。米国と同じで、素晴らしいランチを出すところもあれば、調理済みの安物を出すところもある。

次に、休み。日本に来る前は、子供たちには休みがたくさんあると聞いていた・・・そして来てみたら、多くの日は体育館で超退屈な講義とかバカげた行事があって、休みがなくなることが分かった。

私は3ヶ月の娘がいるけど、小学校に上がる前に米国に戻ろうと思っている。たしかに米国は良くない学校が多い。けど、それでも多くの学校はまだ、質問を発して批判的になることのできる自信にあふれた生徒になることを促す、多様な科目のある豊かな教育プログラムを提供している。社会的に抑圧されて質問ひとつ発することができず、間違いひとつしない、試験の準備だけをして、他の人との遊び方のような実人生のスキルを学ぶための遊び時間をほとんど与えられない、そんな日本の学校の生徒に娘にはなってほしくない。

日本は他の国と変わらない。良いところも、悪いところもある。永久に留まる理由も、今すぐ出ていく理由もある。単に行ってみるだけではなく、英語教師として訪日し(他の仕事でもいいけれど実際外国人はみんなこれ)、一つの国のプラス面もマイナス面も知ることの価値を理解してほしい。

日本の学校について一番良いと思うのは何かって? うーん、たぶん科目ね。米国にも料理と裁縫、掃除と洗濯を教える家政学の授業がもっとあれば、どれだけ変わることかしら!



翻訳元:Quora



ALTの先生も大概だったけどなー。



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