海外Q&Aサイトの「日本語ってヘブライ語と関係あるの?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(アメリカ)
ない。

君が貼っている画像は日本語で使われる文字の一種(「カナ」)で、偶然いくつかのヘブライ文字に似ている。しかしカナが全て漢字から派生したものであることはよく知られている(参考:平仮名と片仮名はどのようにして生まれたか?(英語))。ヘブライ語とは一切無関係だ。

追記:付け加えると、その画像は「日ユ同祖論」の支持者がよく引き合いに出すもののようだ。自分は初めて聞いたが、これを主張するサイトを見た感じ、またWikipediaで「境界理論」ラベルが付けられている事からしても、根拠のない説だろう。



■回答者2
ないと思う。言わせてもらうなら、ヘブライ語よりトルコ語に近いと思う(僕が読んだり学んだりしたところでは)。

アルタイ語族という仮説があって、これにはトルコ語と日本語が含まれる(他にモンゴル語、朝鮮語等も)。この説の論者は例えば語順(SOV)、文法的関係を示すのに接尾辞/後置の助詞を使うこと、母音調和といった多くの共通点を提案している(母音調和はトルコ系とモンゴル系の諸語で非常によく使われる。朝鮮語では消滅しつつあり、現代日本語には見られないが、上代日本語については議論がある)。またトルコ語と日本語には音韻論的な対応も数多く提案されている。

日本語とトルコ語の類似性を示した表を貼っておく。単なる偶然かどうかは分からないが、何か関係があると思いたくなるね。

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注記:日本語には中国語の方がもっと近いと考える人が多い。しかし、日本語は中国語の文字を表記体系に採用したものの、実際には大きく異なる言語だ。文の構造から文法的なアスペクト(相)まで、類似性は全く(あるいはほとんど)見られない。



■回答者3
無関係。画像は作為的なものだ。

ナンセンスだ。平仮名が漢字の草書体から、片仮名が部首から発達したものだということは分かっている。起源については文書が残っていて明らかなのに、この画像はそれを考慮せず表面的な類似性に基づいて都合の良いものだけを拾っている。また漢字の起源とヘブライ文字(西セム系アブジャド)の起源は完全に別で、論証可能だ。

参考:
「アブジャド(abjad。時に子音文字または単子音文字 consonantary とも)とは、文字体系の分類のひとつ。ひとつの子音に対し、通常ひとつの音素文字をもつ。アブジャドは、子音のみを基本的な書記素で表し、母音はそうしないという点で、アルファベットと異なる。」
アブジャド - Wikipedia

類似性は全く偶然のものだ。例えば片仮名の「コ」をヘブライ語のカーフに似ていると言うが、kで始まる他の4つの片仮名、さらにそれと対応する5つの平仮名がある。従って1つのヘブライ文字に対して10個のカナから1つを選んでいるんだ。

例えば:

ヘブライ語:Kaf: כ
片仮名:コ ← 漢字「已」

ヘブライ語:Qof: ק
片仮名:カ ← 漢字「加」

ヘブライ語:heh: ה
片仮名:ハ ← 漢字「八」


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とは言え、仮名(平仮名と片仮名)の体系が、仏典で日本に伝えられたブラーフミー文字の影響下で発達した可能性はある。日本の写字生はこの文字体系から、規則化された子音+母音の音節文字を思いついて、形は漢字から音価で選んで借りたようだ。

参考:
「ブラーフミー系文字(ブラーフミーけいもじ、英: Brahmic scripts)、または、インド系文字(英: Indian scripts)とは、マウリヤ・インドのブラーフミー文字から派生し、南アジア、東南アジア、チベットで使われているアブギダ(文字体系)の一族の総称である。」
ブラーフミー系文字 - Wikipedia

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■回答者4
日本人は明らかにイスラエルの12氏族に属する。

ここにコメントしてる人たちは、ユダヤ人から聞ける情報の知識に基づいているからヘブライ語について何も知らない。でもユダヤ人はハザール人とエドム人で、ヘブライ人ではない。



翻訳元:Quora



ロマンはあるんですが学問的には全否定なんですね。



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