海外Q&Aサイトの「科学調査目的でチンパンジーのオリバー君との交尾を申し出た日本の女優って誰? その人はその後どうなったの?」という質問から、回答をご紹介。
■回答者(フランス)
うおおおおおお!!
今朝この質問を見て、これはデマだと思ったんだ。で調べてみた。実話だった。今でも信じられないけど、でも事実なんだ。
では、まず大事なことから先に確認しておくと、このチンパンジーは何者か? 聞いたこともない(僕はまだ若い)。
これは、当時のデタラメな科学によると多くの「人間」の特徴を持っていたというチンパンジーだ。総じてこれは、人間のモノマネが出来てサーカスの動物のように使われた哀れなチンパンジーの悲しい物語だ。
彼は「科学調査目的」で日本に行ったが、日本のTVの真の動機は、オリバーをクレイジーなTV番組で放送して大儲けすることだった。
ともあれ質問に対する回答を急ぐと、The Atlanticの記事「オリバーの旅」(英語)によると:
「彼(※オリバーをサーカスから購入した弁護士マイケル・ミラー)はオリバーをサーカスの見世物として生きることから救い出すどころか、もっと大きなステージに立たせる事になったようだ。そしてその過程で、彼はコントロールを失った。ミラーによると、最後の一撃はTVで放映された記者会見の最中、若くて魅力的な日本人の女優が、科学のためにオリバーと交尾しその様子を記録することも許可したという発表があった時だという。」
まあこれは余り役に立たないね。
若くて魅力的な日本の女優さん、君は一体何者だ!
日本語のWikipediaが「オリバー君」についてどう書いているか見てみよう:
「高視聴率に気を良くした日本テレビはさらにオリバーの「花嫁」を募集。「オリバーの子供を出産したら1,000万円の報酬が支払われる」という報奨金まで設定されたため、これに対して数十人の女性が応募する反響があった。
最終的に、無名の19歳のタレント(現在は占い師を営んでいる)を康が個人的に選び、記者会見まで行われた。しかし、この前代未聞の企画は実現するには至らなかった。」
おい、俺は騙されてなかったぜ・・・
言わせてくれ:これマジで頭おかしいだろ。
さてと。
ちなみに1976年当時の1000万円は、インフレを補正すると今日の1700万4910円(146,660ドル、138,394ユーロ)だ。Quoraでこんな質問を見てみたいね:「146,660ドルでチンパンジーと姦淫する?」サンキュー。
ともあれ、これは質問に対して部分的な回答しか与えていない:この女優は占い師になった(個人的な意見は言わないけど、これについては色々考えてしまう)。
しかしこの神秘的な占い師、君は一体何者だ?!
残念ながらこれについて手に入る情報は少ない。主に2つの説があるが、どちらも本当に信じるには値しない(つまり、信頼できるソースがないって? たわごとに聞こえるけどな)。
1つ目の説は、「伊集院光 日曜日の秘密基地」[1](TBSのラジオ局)によると、問題の女の子は白鳥翔子(しらとり しょうこ)という名前だという。彼女は当時オリバーを担当していたプロダクションスタジオの事務所に仕事で行って、「オリバーの花嫁探し」に招待された。何が起こっているか理解した時には、彼女はもう記者会見の席に座っていた。彼女は実際このプロジェクトに非常に真剣で、オリバーの子供を産むことを本気で考えていたが、しかしプロジェクトは余りに異様だったため日本テレビは警察から連絡を受け、最終的に中止を決定した。
とすると・・・彼女は何が起こっているか「理解していなかった」・・・が、チンパンジーの子供を産むことを「本気で」考えていた・・・? この説がクソの山なのか、彼女が強制されていたかのどちらかだ。
そして残念ながら(あるいは、彼女にとっては「幸い」かも知れないが)、彼女の名前は非常にありふれているから写真は見つからなかった。
さて2つ目の説だ(自己責任で読んでくれ):
タブロイド紙「週刊女性」1979年9月7日版が、この出来事のニュースを載せた。タイトルは「オリバーくんとのSEXを志願した女性の素顔」、サブタイトルは「強姦されると思えばいいじゃない!」
上記のタブロイド紙について報告している『本当にヤバい!! 昭和の「都市伝説」大全集』という本によると、問題の女性はこう言っている。「私が子供の頃に両親が離婚しました。オリバー君とセックスすることで、両親に反応してほしいんです。子供を置き去りにするなんて本当にひどい事です!」
そして彼女は哀れなチンパンジーと、医師の監督の下で(なんと安心な・・・)、セックスをすることになった。同じソースによると、彼女の母親はこのプログラムの中止を強く求めたという。
しかし、これまた神話の真相を暴く本、『荒俣宏の世界ミステリー遺産』によると、これは事実ではないという。問題の女性は自分についての記事を読んで、荒俣氏を訪れ実際に何があったのかを語ったという。(記事の初出は日本のタブロイド紙『週刊プレイボーイ』2001年・・・これでダメなら諦めろ)
「無事に子供を産めば1,000万円貰えることは知っていましたが、実際には私はオリバーに触られたこともないし、1銭も貰っていません。だから私がお金目的で応募したというニュースは間違いです。ただ、私の両親が抗議したからプロジェクトが中止されたというニュースも間違いです。母は実際とても協力的でした。だって、私は真剣でしたから。」
(同じソースによると、番組は実際には以下の理由で中止になった:余りに異様なので警察から連絡が来たこと、そしてもし本当にこの女性から子供が生まれたら、非常に大きな法的問題が発生するだろうということ。)
何が真実なのかを言うのは難しい。当時の日本のTVは、常にもっとどぎつく馬鹿げた番組を作ろうとすることで有名だった。思うにプロデューサーはオリバーがただのチンパンジーであることを知っていたが、可能な限り稼ぐために譲らなかったんだろう。プロデューサーの康芳夫は、他にもモハメド・アリ対アントニオ猪木戦(このエキシビションは大失敗だった)、ネス湖の怪物の調査、虎と高名な空手家の勝負(2分足らずでドーベルマン数匹を食い尽くす獣を見て、空手家はビビってタオルを投げた)といった、あらゆるクレイジーな番組で有名だ。[2]
2つ目の説が本当だとすると、この可哀想な女性の頭の中で当時何が起こったんだろうか? 強制されたんじゃないとすると、彼女はこれで一山当てて金持ちになれると考えていたんだろう。当時はカネが王様で、人々は脳細胞よりもカネという時代だった。で、母親が娘を支援したんだ。ワオ。平成生まれで良かったわ。
いやはや、この質問に回答するのは・・・興味深かった。なんて一日の始まりだ。
脚注
[1] オリバー君,A-MIE-BLOHH|カミン・コンサーン
[2] 康芳夫の現在、アウトデラックスで類人猿「オリバー君」やネッシー探検隊を仕掛けた伝説の暗黒プロデューサーが登場【画像】
翻訳元:Quora
これをTVでやってたとか凄い時代ですね・・・
荒俣宏の世界ミステリー遺産 (祥伝社黄金文庫)
■回答者(フランス)
うおおおおおお!!
今朝この質問を見て、これはデマだと思ったんだ。で調べてみた。実話だった。今でも信じられないけど、でも事実なんだ。
では、まず大事なことから先に確認しておくと、このチンパンジーは何者か? 聞いたこともない(僕はまだ若い)。
これは、当時のデタラメな科学によると多くの「人間」の特徴を持っていたというチンパンジーだ。総じてこれは、人間のモノマネが出来てサーカスの動物のように使われた哀れなチンパンジーの悲しい物語だ。
彼は「科学調査目的」で日本に行ったが、日本のTVの真の動機は、オリバーをクレイジーなTV番組で放送して大儲けすることだった。
日本テレビによるオリバーの来日記者会見。左から三番目の男がプロデューサーの康氏。
ともあれ質問に対する回答を急ぐと、The Atlanticの記事「オリバーの旅」(英語)によると:
「彼(※オリバーをサーカスから購入した弁護士マイケル・ミラー)はオリバーをサーカスの見世物として生きることから救い出すどころか、もっと大きなステージに立たせる事になったようだ。そしてその過程で、彼はコントロールを失った。ミラーによると、最後の一撃はTVで放映された記者会見の最中、若くて魅力的な日本人の女優が、科学のためにオリバーと交尾しその様子を記録することも許可したという発表があった時だという。」
まあこれは余り役に立たないね。
若くて魅力的な日本の女優さん、君は一体何者だ!
日本語のWikipediaが「オリバー君」についてどう書いているか見てみよう:
「高視聴率に気を良くした日本テレビはさらにオリバーの「花嫁」を募集。「オリバーの子供を出産したら1,000万円の報酬が支払われる」という報奨金まで設定されたため、これに対して数十人の女性が応募する反響があった。
最終的に、無名の19歳のタレント(現在は占い師を営んでいる)を康が個人的に選び、記者会見まで行われた。しかし、この前代未聞の企画は実現するには至らなかった。」
おい、俺は騙されてなかったぜ・・・
言わせてくれ:これマジで頭おかしいだろ。
さてと。
ちなみに1976年当時の1000万円は、インフレを補正すると今日の1700万4910円(146,660ドル、138,394ユーロ)だ。Quoraでこんな質問を見てみたいね:「146,660ドルでチンパンジーと姦淫する?」サンキュー。
ともあれ、これは質問に対して部分的な回答しか与えていない:この女優は占い師になった(個人的な意見は言わないけど、これについては色々考えてしまう)。
しかしこの神秘的な占い師、君は一体何者だ?!
残念ながらこれについて手に入る情報は少ない。主に2つの説があるが、どちらも本当に信じるには値しない(つまり、信頼できるソースがないって? たわごとに聞こえるけどな)。
1つ目の説は、「伊集院光 日曜日の秘密基地」[1](TBSのラジオ局)によると、問題の女の子は白鳥翔子(しらとり しょうこ)という名前だという。彼女は当時オリバーを担当していたプロダクションスタジオの事務所に仕事で行って、「オリバーの花嫁探し」に招待された。何が起こっているか理解した時には、彼女はもう記者会見の席に座っていた。彼女は実際このプロジェクトに非常に真剣で、オリバーの子供を産むことを本気で考えていたが、しかしプロジェクトは余りに異様だったため日本テレビは警察から連絡を受け、最終的に中止を決定した。
とすると・・・彼女は何が起こっているか「理解していなかった」・・・が、チンパンジーの子供を産むことを「本気で」考えていた・・・? この説がクソの山なのか、彼女が強制されていたかのどちらかだ。
そして残念ながら(あるいは、彼女にとっては「幸い」かも知れないが)、彼女の名前は非常にありふれているから写真は見つからなかった。
さて2つ目の説だ(自己責任で読んでくれ):
タブロイド紙「週刊女性」1979年9月7日版が、この出来事のニュースを載せた。タイトルは「オリバーくんとのSEXを志願した女性の素顔」、サブタイトルは「強姦されると思えばいいじゃない!」
上記のタブロイド紙について報告している『本当にヤバい!! 昭和の「都市伝説」大全集』という本によると、問題の女性はこう言っている。「私が子供の頃に両親が離婚しました。オリバー君とセックスすることで、両親に反応してほしいんです。子供を置き去りにするなんて本当にひどい事です!」
そして彼女は哀れなチンパンジーと、医師の監督の下で(なんと安心な・・・)、セックスをすることになった。同じソースによると、彼女の母親はこのプログラムの中止を強く求めたという。
しかし、これまた神話の真相を暴く本、『荒俣宏の世界ミステリー遺産』によると、これは事実ではないという。問題の女性は自分についての記事を読んで、荒俣氏を訪れ実際に何があったのかを語ったという。(記事の初出は日本のタブロイド紙『週刊プレイボーイ』2001年・・・これでダメなら諦めろ)
「無事に子供を産めば1,000万円貰えることは知っていましたが、実際には私はオリバーに触られたこともないし、1銭も貰っていません。だから私がお金目的で応募したというニュースは間違いです。ただ、私の両親が抗議したからプロジェクトが中止されたというニュースも間違いです。母は実際とても協力的でした。だって、私は真剣でしたから。」
(同じソースによると、番組は実際には以下の理由で中止になった:余りに異様なので警察から連絡が来たこと、そしてもし本当にこの女性から子供が生まれたら、非常に大きな法的問題が発生するだろうということ。)
何が真実なのかを言うのは難しい。当時の日本のTVは、常にもっとどぎつく馬鹿げた番組を作ろうとすることで有名だった。思うにプロデューサーはオリバーがただのチンパンジーであることを知っていたが、可能な限り稼ぐために譲らなかったんだろう。プロデューサーの康芳夫は、他にもモハメド・アリ対アントニオ猪木戦(このエキシビションは大失敗だった)、ネス湖の怪物の調査、虎と高名な空手家の勝負(2分足らずでドーベルマン数匹を食い尽くす獣を見て、空手家はビビってタオルを投げた)といった、あらゆるクレイジーな番組で有名だ。[2]
康芳夫
2つ目の説が本当だとすると、この可哀想な女性の頭の中で当時何が起こったんだろうか? 強制されたんじゃないとすると、彼女はこれで一山当てて金持ちになれると考えていたんだろう。当時はカネが王様で、人々は脳細胞よりもカネという時代だった。で、母親が娘を支援したんだ。ワオ。平成生まれで良かったわ。
いやはや、この質問に回答するのは・・・興味深かった。なんて一日の始まりだ。
脚注
[1] オリバー君,A-MIE-BLOHH|カミン・コンサーン
[2] 康芳夫の現在、アウトデラックスで類人猿「オリバー君」やネッシー探検隊を仕掛けた伝説の暗黒プロデューサーが登場【画像】
翻訳元:Quora
これをTVでやってたとか凄い時代ですね・・・
荒俣宏の世界ミステリー遺産 (祥伝社黄金文庫)
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