海外Q&Aサイトの「1996年の韓国と日本の間の『キムチ紛争』で何が起こったの?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者(アメリカ)
実際の国際紛争ではなくて、単に製品表示をめぐる議論と合意のようだ。

日韓キムチ紛争(英語)
※現在は削除されているためリンク先はWebArchive


----- 引用ここから -----

キムチ紛争が勃発したのは1996年、日本がアトランタ五輪の公式フードとして日本の「キムチ」(kimuchi)を指定する提案をした時のことだ(インディペンデント紙、2000年10月9日付)。当時韓国は、日本の「模造」キムチの輸出量の急速な増大に悩まされていた。韓国は輸入キムチの品質を調査し評価するための適切な国際標準がないことに疑問を呈した。言い換えると、韓国は(韓国の視点から見て)低品質の日本のキムチが世界市場に出回っていることに我慢がならなかったのだ。韓国は「消費者の健康を守り、食品貿易の公正な実施を保証する」(KFRI)ための国際キムチ標準が至急必要だと主張した。その結果、韓国はこの問題を、国連食糧農業機関の一部である国際食品規格委員会に持ち込んだ。日韓間のこのキムチ論争は、次の3つの視点から見ることができる。

第一に、言うまでもなく、これは国際貿易の問題である。韓国農林部(※日本の農林水産省に相当)によると、過去数年間の韓国のキムチ輸出の約80~90%が日本向けだったのは事実である。しかし同じ期間に、日本におけるキムチ生産は急速に増大し、日本の食品メーカーは日本製キムチで市場シェアを拡大した。さらに、日本がコピーしたキムチは製造プロセスの違いから韓国キムチよりも安い。そのため、韓国は巨大な国際キムチ市場を失うことを心配していた。

第二に、これは文化の問題でもある。韓国人にとって、日本のキムチは純正のキムチではない。物真似したキムチに過ぎない。韓国のキムチの材料は白菜、唐辛子、ニンニク、魚の塩漬け、生姜で、これらを素焼きの壺に入れて最低4週間発酵させる(韓国食品研究所)。しかし日本のキムチは白菜と人工調味料を材料とし、発酵の過程は省いている。韓国人にとってキムチは食べ物以上のものだ。一種の国民的象徴であり、韓国の国民のアイデンティティの一部だ。キムチは韓国の伝統文化そのものなのである。韓国には「キムチの味は母の指先の味」という諺がある(インディペンデント紙、2000年10月9日付)。このため、「キムチ」という言葉を模造キムチに使うのは韓国人にとって受け入れられないことであり、韓国の文化を侮辱するものですらありうる。

最後に、韓国と日本の間の悲しい歴史、つまり世界大戦期の日本による韓国の植民地化は忘れることができない。韓国人の中には日本に対し良い感情を持っておらず、キムチ紛争を日本による新たな侵略と見る人もいる。日韓間にはその歴史を原因とする複雑な感情があり、キムチ問題は両国間に新たな衝突を提起したのだ。しかしながら、キムチは確実に日本で人気になってきており、韓国の文化は日本に浸透している。両国がこの問題を平和に解決するならば、将来的に彼らの関係はより良くまたより近くなるだろう。

----- 引用ここまで -----


追加の情報:

・紛争を作り出したのは誰かという情報が、上の要約記事では誤っている。1995年にキムチの原材料を標準化するよう国際食品規格委員会に求めたのは韓国である。ソース:食品規格標準(英語)

・キムチは辛すぎると考えられていたので、1980年代まで日本では食べられていなかった。

・上記の通り、1980年代に始まった日本の「キムチブーム」によって韓国キムチの輸出は大幅に増加するとともに、日本の業者も韓国産とは異なった味わいの新しいキムチを開発した ― 日本人は、どのみち家庭のキムチの味は知らなかったので気にしなかった。

・日本からの唯一の抵抗は、彼らのキムチ風製品をアメリカに向けて継続して販売する許可を求めたことだけだった。それを食べたいと思う人がいて、また多くの人はそれが純正の味かどうかは気にしないからだ。

・これにより、国際標準化されたキムチの表示を作るため韓国と日本が協力することとなった。

・キムチは2001年に国際標準になった。



翻訳元:Quora



要約すると、国際社会では声を上げた方が勝ち。




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