海外Q&Aサイトの「うっかりタイムスリップして1914年8月3日の朝のロンドンに着きました。あなたならどうする?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者(アメリカ)
未来から来たことは誰にも言ってはいけない。誰にもだ。そして国防軍に入ろうなどとは夢にも思わないこと。

君が何を持っているかにもよるが、手持ちの物は全て売り払って、すぐにアメリカ行きの船に乗る。アメリカは金融市場をリードしていて、あと3年間は大戦に突入しない。市場の変動にリアルタイムに反応できるように、ニューヨークに行く必要がある。もしアメリカへ行けなかったら、ロンドンに留まって、何があっても北へ行ってはいけない。

市場はやがてホームレスを大量に増やすから、貧困者向けの無料食堂やホステルを見つけてすぐに入っておく。1914年11月1日頃、君は(一流のブローカーを伴って)米国の市場に参入する必要がある。ニューヨーク証券取引所は閉鎖されているが、取引をする方法はある。市場に入ったら、以下のチャート(※1896~2016年のダウ平均株価)に注意深く従う。君はどんどん稼ぐだろう。市場がどう動くかは分かっているのだから、出来る限りレバレッジをかけろ。株券は君のブローカーの名前(仲買人名義)にしてはいけない。常に君自身の名義にして、物理的に持っておく。数人の友人にコツを教える。ただし未来を「予知」する能力のことは明かさない。市場での安全なチャンスを教えることができれば、ビジネス上の友人はすぐに作れるだろう。

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参考:
「第1次大戦が始まって間もなく取引所は閉鎖された(1914年7月31日)が、債権取引で戦費を賄うため同年11月28日には部分的に再開し[24]、12月中旬には株式取引が完全に再開した。」
ニューヨーク証券取引所 - Wikipedia(英語)

市場が底に達したら、君の魔法のチャートを持っていない人たちから、処分特売になっている日用品と家を買う。ただしやり過ぎないこと。

少額のお金を一財産に変える間、現代の経験を生かして発明する(あるいは再発明かも)。多少は売っても良いが、発明の将来価値は分かっているのだから、所有権は保持しておく。

大学へ行く。君は恐らく一流どころに入って、科学の学位が取れるだろう。特にスタンフォードはたった20年ぐらい前に設立されたばかりだ。画期的・歴史的なスポーツや文化のイベントに行く。100年に1度の出来事だが、君にはそれがいつ起こるか分かっている。特にベーブ・ルース、タイ・カッブ、カルーソー、マコーマック、トスカニーニを見よう。

参考:
ベーブ・ルース(→Wikipedia)は1920年からニューヨーク・ヤンキースに移籍、本塁打記録を達成。タイ・カッブ(→Wikipedia)は同時期にデトロイト・タイガースで活躍。

テノール歌手エンリコ・カルーソー(→Wikipedia)と指揮者アルトゥーロ・トスカニーニ(→Wikipedia)は、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場に出演。トスカニーニは1926年からニューヨーク・フィルハーモニックで指揮。ジョン・マコーマック(→Wikipedia(英語))はテノール歌手。カルーソーと並んでビクター社のレコード録音で活躍。

15年後、ブラック・チューズデーは君自身の、そして後の数世代に渡る家族の生活を決定づけることになる。保有している株を、そうだな、1929年10月25日に売り、最も強い会社で最も強い仲買人を使って長期のプットオプション(※株式売付選択権)を買う。そして売る。山ほどのキャッシュが手に入るので、金、高価な芸術品、不動産を買って、残りは約5年後に市場に戻す。この5年間は金を浪費するリスクがある。浪費してはいけない。世界恐慌の上げ潮に乗るのは、投資する金のある人間にとって100年に1度のチャンスだ。

参考:
「最初の暴落は1929年10月24日(木曜日)に起こったが、壊滅的な下落は28日(月曜日)と同29日(火曜日)に起こり、アメリカ合衆国と世界に広がる前例の無い、また長期にわたる経済不況の警鐘と始まりに急展開した。株価大暴落は1か月間続いた。」
ウォール街大暴落 (1929年) - Wikipedia

最も大事なポイント:レバレッジ! 君は市場がどこへ向かっているか知っている。唯一不確実なのは、君が市場にどれだけ突っ込めるかだ。この20年間の投資サイクルで、君は想像を遥かに超えて裕福になるだろう。スタンフォードの学位も手に入る。大戦で殺されることもない。君は色々な面で独特の見解の持ち主になるだろうから、紳士淑女の間で人気者になるだろう。最後に、君は史上最も偉大なパフォーマーたちを実体験することになる。



翻訳元:Quora



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