海外Q&Aサイトの「日本で南京大虐殺について日本人と話しても大丈夫?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(アメリカ)
政治的にセンシティブな他の話題と同様、正しい場所があり、正しくない場所もたくさんある ― 他の国と同じだ。

出てくる意見は批判的だろうが、ただ一般的に、それが起こったということを否定する人には会ったことがない。その手の人はかなり探さないといないだろう。

日本人は一般に、外国ならどこでもいるような、自分の意見を大々的に吹聴するようなことをしない。これは不愉快なことで、そして不愉快なことをする人間は無視されることが多い。だから君が日本人をこの話題に引き込んで、非常に一方的で非難がましい態度をとるなら、期待した結果にはならないと思った方がいい。むしろ人間関係が上手く行かなくなるだろう。



■回答者2(中国系)
イエス。この話題が今の会話に関係ある場合に持ち出す限り、完璧に問題ない。例えば ― 第2次大戦についてとか中国の戦線についての大学の講義なら。関係があるなら質問するのは間違っていないと思う。

さて、もし君が何の脈絡もなく持ち出したら、恐らく浮いた感じになって多くの人を気詰まりにさせるだろう。この事件に対する世間一般の認知度は非常に低い ― また日本人は、強い対立を引き起こすような話題は避ける傾向がある。したがって一番ありそうなのは、避けられるのに近い回答を受け取ることだ。またこの話題には本質的に非難がましい面があるということも知っておこう。

実のところ ― 僕はこの事件で日本軍がやったひどい行為を大いに嫌っている。僕は生まれは中国人で、中国の九・一八歴史博物館に行ったことがある。おそらくこの目で今までに見た最悪のものの一つだ。しかし大事なのは、この件のような話題を日本で持ち出す時には、まず大抵が事件自体からは数世代隔たった、事件との関係は皆無かそれに近いような人が相手なのを心に留めておくことだ。

参考:
「満州事変の発端となった柳条湖事件の現場のすぐ横に建設された。中国側からみた「九一八事変」(満州事変)以降の「侵略」と「抗日戦争」の歴史が、ジオラマ等を多用した展示により描かれている。」
九・一八歴史博物館 - Wikipedia



■回答者3
もちろん構わない。

ただ問題は、普通の日本人は守りの姿勢が過ぎることが多いという点だ。彼らは大抵、この件について心を開いて遠慮なく話すということをしない。「第2次大戦が終わってもう72年だよ」とか「今の日本人の大半は戦後生まれで、先祖のした悪いことの責任を負うべきじゃないよ」とか何とか言って、真面目な議論を避けようとする。

結構だ。しかし、では第2次大戦中に先祖がやったことに対する普通の日本人の態度は、本当に非難の余地のないものか? 私はそうは思わない。いくつかの問題について見てみよう:

1. 慰安婦

多くの右翼だけでなく、首相の安倍晋三さえもが、韓国や中国の言う慰安婦の実在を疑うようなことを公言している。彼らは、いわゆる慰安婦は日本軍で生活費を稼いでいた自発的な売春婦だったということを認めるのがせいぜいだ。韓国や中国、あるいは全世界が主張するような性奴隷ではないのだと(事実、オランダ人やフィリピン人その他の慰安婦もいたことが今では分かっている)。

2. 日本の若い世代が、第2次大戦で先祖が犯した罪について非難されたり、責任を負ったりするべきではないのは当然だ。私が最後に確認した時には、日本の若者の多くは、大戦中の先祖の悪行を知らないと言っていたが、もっともなことだ。だから彼らのナイーブな心の中では、「無知こそ至福」となる! しかし、彼らは本当に私たちに信じ込ませようとするほど無垢なのか? そうは思わない。第2次大戦の出来事についてそんなに無知なら、なぜ2つの原爆の結果として先祖が苦しんだことについてはあんなに詳しいんだ? そしてその死者のことを毎年嘆くんだ? いやはや!

3. 第2次大戦を始めとする歴史の内容を日本に都合の良いように歪める(時には日本を被害者として描きさえする)、学校教科書の臆面もない改定を、世界は知りまた咎めているが、ではなぜ一見無垢な日本の大衆は「私に言わないでくれ、政府の問題だ!」という振る舞いをするのか? したがって実際のところ、第2次大戦とは、特に南京大虐殺とは関係がないと言い張る日本人は、少なくとも安倍のような右翼政治家を扇動して平和主義から軍国主義へと政治を動かした点で有罪だ。

4. 第2次大戦で有罪となった14人のA級戦犯の位牌が、1978年に靖国神社に祀られ、昭和(ヒロヒト)とアキヒトの両天皇が靖国神社に参詣するのをやめたことは誰でも知っている。そしてその理由も知っている。この行為に関してだけは、私は個人的に天皇たちに敬意を表する。しかし、もし日本の若い世代が第2次大戦に関してそんなに無垢なら、なぜ愛しの天皇の例に倣わず、右翼の安倍首相の轍を踏んで靖国神社の14人の戦犯を拝み続けているのか?

したがって、一言で言えば、日本の若い世代はそんなに無垢というわけでは全くない。

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■回答者4(アメリカ)
日本に15年間いて、この件のようなセンシティブな話題について聞かれて話したことがある者として、私の考えは:

もちろんOKだ。他の回答者も言っている通り。ただ気をつけた方がいい。大抵の人は、この事件が起こったのは悲しいことだと思っていて、不正なことだと思ってもいるが、同時にまた、外国人がそう言うのを必ずしも聞きたがってはいない。

これはかなり年齢による。一般に年配の人の方が戦時中の政府に怒りを覚えていて、それを批判もするしまた批判を受け入れもするが、若くなるにつれて外国人からの批判を聞きたがらなくなる。

私がこうした問題について話す時は、言われたことは何でも受け入れ、聞かれなければ自分の意見は言わないこと、言うとしても言い方には気をつける、というやり方をとっている。こうすることで、私はこうした件について多くの人に心を開かせ、興味深い意見を聞いてきた。

常に人によるけどね。取り扱いに注意して、どんな意見であろうと重んじること。論争はしないこと!

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■回答者5
彼らに嫌われて無視されても構わないならね。奴隷制やネイティブの扱いや何やについて、自分がどう思うか話したくてたまらないというアメリカ人が一部にいるが、誰もが歴史に対してそれと同じマゾヒスティックな見方をするわけじゃあない。君はゲストだ。それに応じた振る舞いをしろ。

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翻訳元:Quora



タブーというわけではないですからね。



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