海外Q&Aサイトの「『俺』って失礼とされている割に日本のマンガやTV番組でよく使われるのはなぜ?」という質問から、回答をご紹介。
■回答者1(ニュージーランド)
「俺」は失礼ではなくて、男性が自分を指して"I"と言う時に普通に使う言葉だ。女の子や60歳の婆さんが言ったら変な感じがするが。男っぽい表現で、男らしさとタフネスを表すのに使う。
■回答者2(アメリカ)
「失礼」が最適な説明かは分からないな。上のはこの点うまく回答してくれている。つまり男性の代名詞で、礼儀正しく会話するときには使わないのが正しいとされている。
じゃあなぜTVで使っているの? ってまあ、それはTVだからね! エンターテインメントは現実の生活からは完全に切り離された領域なのよ。お笑い芸人がとんでもないことをする日本のバラエティ番組を見たことがある? あんなのは現実の世界では起こらない。ドラマ、アニメ、そしてバラエティ番組は、純粋にエンターテインメントのためだけに作られていて、普通の社会での言葉や振る舞いを反映することは求められていないのよ。
そういう番組を学習ツールとして使う時にはこの点を覚えておくこと。TVを見るのは日本語の勉強を補完するのに素晴らしい方法だけど、あくまで補完にとどめておくべき。エンターテインメントで使われる言葉や振る舞いを真似する癖をつけないこと、じゃないと実際に日本人を相手にした時にバカを見る危険がある。
■回答者3(フランス)
失礼というのはちょっと大げさね。男性や男の子が、同い年か年下の友人や知人、家族、奥さんや彼女、仲のいい同僚と話すような、くだけたシチュエーションでは普通に使われる。
少なくとも広島ではそう(もっと年配の世代は「わし」も使う)。日本でも他の地域だと受け取り方が違うかもしれないけど、私は知らない。
ただ外国人としては、親しい友人と集まっているのでなければ、たぶんこの単語は使うのを避けた方がいい。
私が働いている会社は、通常の日本企業ほど厳格ではないけれど(仕事はグラフィックデザインだし上司も進歩的)、前に1年間、若いアメリカ人の社員がいて、アニメの大ファンで、上司や年上の同僚や、大事なクライアント(大企業の社長とか市役所の課長とか)にまで「俺」を使っていた。人間関係をリラックスさせるのに良い方法だと思っていたのね。
誰も彼のことを叱らなかったけど、すごく不適切な感じだったし、会議で彼が話し始めると面白そうな顔をしたり、控えめににやにやしている人は見たことがある。
■回答者4(アメリカ)
「俺」は非常にくだけた形の日本語だ。よく使われはするが、だからといってよく使われるとは思わない方が良い・・・どういう時に使うのが適切かというニュアンスは、非常に込み入っている。くだけた、あるいは「低俗」な形の日本語の一番うまい扱い方は、現実の生きた日本人(アニメではなく)と十分な時間話して、そのニュアンスを直観的に理解できるようになるまで、一切使わないことだ。
アニメの好きな外国人の多くが「クール」な日本語を大喜びで使うのは知っているが、日本に来てそういう喋り方をすると、「失礼で無知な外国人」というステレオタイプを永続化させるだけで、私たちみたいな永住者には迷惑だ。
■回答者5(日系カナダ)
「俺」は口語体で(下に貼ったWikipediaの記事を参照)、ビジネスの会議には不適切かもしれなくて、でもあなたが見ているような番組で使うのは適切らしい、というもの。
日本語には1人称単数代名詞が何通りもある。中には方言に固有のものや、歴史的な(古語の)形もある:
日本語の代名詞 - Wikipedia(英語)
この言語を学ぶことの複雑さの一端は、意味が通じればこうした1人称を使うことはできてしまって、どういう時に使うのが賢明なのかはたくさんの努力と時間をかけて磨いて行くしかないという点だと思う。
■回答者6(ポーランド)
アニメは現実の生活に(部分的に)基づいてはいるけれど、現実より感情的になっていることが多い。どの言語の映画や他のメディアでもそうだけど。
アニメだと「ぶっ殺すぞ、この野郎」とか聞くだろうけど、現実にはない(あったら、たぶん警察に行ったほうがいい笑)。ずっと誇張された話し方をする。
あと、アニメのキャラは普通、親しい友人同士で話している。例えばみんなが仲間の『ONE PIECE』みたいに。敵に会うこともあるけど、・・・敵に対して礼儀正しくしたいとは思わないでしょ。
あと、アニメの多くはティーンエージャー向けで、上司や顧客と話さなくちゃいけない勤め人向けじゃあない。
■回答者7(アメリカ)
スラングみたいなものだと思えばいい。
スラングは失礼ではないが、普通の環境では使わない。ちょっと低級なものだと思っているからだ。
それ自体として悪いことは何もなくて、TVで言っていたり、レポーターが使っているのをみんな好んで聞いている。
だから、友達といる時には何を言ってもいい、外にいる時は普通の日本語で通す。
タテマエとホンネだ。
翻訳元:Quora
状況によって1人称を使い分けたりもしますね。
関連記事:
外国人「女の子だけど1人称に『僕』を使ったら日本人はどういう反応をする?」
外国人「日本語には2人称が色々あるけど、どう使い分けてる?」

日本語人称詞の不思議―モノ・コト・ヒト・キミ・カミ
■回答者1(ニュージーランド)
「俺」は失礼ではなくて、男性が自分を指して"I"と言う時に普通に使う言葉だ。女の子や60歳の婆さんが言ったら変な感じがするが。男っぽい表現で、男らしさとタフネスを表すのに使う。
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外国人「女の子だけど日本語で男言葉を使ったらどう思われる?」
■回答者2(アメリカ)
「失礼」が最適な説明かは分からないな。上のはこの点うまく回答してくれている。つまり男性の代名詞で、礼儀正しく会話するときには使わないのが正しいとされている。
じゃあなぜTVで使っているの? ってまあ、それはTVだからね! エンターテインメントは現実の生活からは完全に切り離された領域なのよ。お笑い芸人がとんでもないことをする日本のバラエティ番組を見たことがある? あんなのは現実の世界では起こらない。ドラマ、アニメ、そしてバラエティ番組は、純粋にエンターテインメントのためだけに作られていて、普通の社会での言葉や振る舞いを反映することは求められていないのよ。
そういう番組を学習ツールとして使う時にはこの点を覚えておくこと。TVを見るのは日本語の勉強を補完するのに素晴らしい方法だけど、あくまで補完にとどめておくべき。エンターテインメントで使われる言葉や振る舞いを真似する癖をつけないこと、じゃないと実際に日本人を相手にした時にバカを見る危険がある。
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外国人「アニメで日本語を勉強して、日本人が話してるのも完璧に理解できるようになったよ」
■回答者3(フランス)
失礼というのはちょっと大げさね。男性や男の子が、同い年か年下の友人や知人、家族、奥さんや彼女、仲のいい同僚と話すような、くだけたシチュエーションでは普通に使われる。
少なくとも広島ではそう(もっと年配の世代は「わし」も使う)。日本でも他の地域だと受け取り方が違うかもしれないけど、私は知らない。
ただ外国人としては、親しい友人と集まっているのでなければ、たぶんこの単語は使うのを避けた方がいい。
私が働いている会社は、通常の日本企業ほど厳格ではないけれど(仕事はグラフィックデザインだし上司も進歩的)、前に1年間、若いアメリカ人の社員がいて、アニメの大ファンで、上司や年上の同僚や、大事なクライアント(大企業の社長とか市役所の課長とか)にまで「俺」を使っていた。人間関係をリラックスさせるのに良い方法だと思っていたのね。
誰も彼のことを叱らなかったけど、すごく不適切な感じだったし、会議で彼が話し始めると面白そうな顔をしたり、控えめににやにやしている人は見たことがある。
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■回答者4(アメリカ)
「俺」は非常にくだけた形の日本語だ。よく使われはするが、だからといってよく使われるとは思わない方が良い・・・どういう時に使うのが適切かというニュアンスは、非常に込み入っている。くだけた、あるいは「低俗」な形の日本語の一番うまい扱い方は、現実の生きた日本人(アニメではなく)と十分な時間話して、そのニュアンスを直観的に理解できるようになるまで、一切使わないことだ。
アニメの好きな外国人の多くが「クール」な日本語を大喜びで使うのは知っているが、日本に来てそういう喋り方をすると、「失礼で無知な外国人」というステレオタイプを永続化させるだけで、私たちみたいな永住者には迷惑だ。
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■回答者5(日系カナダ)
「俺」は口語体で(下に貼ったWikipediaの記事を参照)、ビジネスの会議には不適切かもしれなくて、でもあなたが見ているような番組で使うのは適切らしい、というもの。
日本語には1人称単数代名詞が何通りもある。中には方言に固有のものや、歴史的な(古語の)形もある:
日本語の代名詞 - Wikipedia(英語)
この言語を学ぶことの複雑さの一端は、意味が通じればこうした1人称を使うことはできてしまって、どういう時に使うのが賢明なのかはたくさんの努力と時間をかけて磨いて行くしかないという点だと思う。
■回答者6(ポーランド)
アニメは現実の生活に(部分的に)基づいてはいるけれど、現実より感情的になっていることが多い。どの言語の映画や他のメディアでもそうだけど。
アニメだと「ぶっ殺すぞ、この野郎」とか聞くだろうけど、現実にはない(あったら、たぶん警察に行ったほうがいい笑)。ずっと誇張された話し方をする。
あと、アニメのキャラは普通、親しい友人同士で話している。例えばみんなが仲間の『ONE PIECE』みたいに。敵に会うこともあるけど、・・・敵に対して礼儀正しくしたいとは思わないでしょ。
あと、アニメの多くはティーンエージャー向けで、上司や顧客と話さなくちゃいけない勤め人向けじゃあない。
■回答者7(アメリカ)
スラングみたいなものだと思えばいい。
スラングは失礼ではないが、普通の環境では使わない。ちょっと低級なものだと思っているからだ。
それ自体として悪いことは何もなくて、TVで言っていたり、レポーターが使っているのをみんな好んで聞いている。
だから、友達といる時には何を言ってもいい、外にいる時は普通の日本語で通す。
タテマエとホンネだ。
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翻訳元:Quora
状況によって1人称を使い分けたりもしますね。
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日本語人称詞の不思議―モノ・コト・ヒト・キミ・カミ
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海外の言葉がどれくらい語気に印象を左右されるかはわからないが、 口語の日本語では、語気が穏やかなタメグチの一人称、「俺」と語気の荒い丁寧語の「私」だと、断然後者の方が友好的に聞こえるね。
敬語の厳しい日本語でも語気の方が大事なときもあるんだと目から鱗だった。
そもそも「俺」は田舎だと女性が使う方言でもあったし。もしかすると「俺」という語調がわたし よりもぶっきらぼうな語調だから、次第に男性的、公的では無い、とされたのかなぁ。