海外Q&Aサイトの「日本の文化には解決不可能な根深い問題があると思っても、その事実を言ったらうるさがられるかな?」という質問から、回答をご紹介。
■回答者1(匿名)
まずこいつから片付けよう:「うん、でもそれはどこの国にもあることだよ」みたいな回答がたくさん付くだろう。これはまったく正しくない。
日本人(と、アホな日本びいき)は、日本が独特で特別だと主張したがる ― ただし、良い面についてだけ。
悪い面になると、彼らは自分を守ろうと躍起になって、自説の偽善にはまったく気づかずに日本は「他の国と同じ」だと主張する。
だから「日本も他の国と同じだよ」系の回答は全部無視していい ― これは怠惰で説得力のない、間違った「そっちこそどうなんだ主義」(Whataboutism)だ。
現代の日本を歴史から切り離して考えることはできない。特に「鎖国」時代の終わりと明治維新、帝国主義的拡張、第2次大戦、現代の日本が”発明”された戦後、米国主導による経済的奇跡、そして90年代中盤からの経済的没落という歴史だ。
このようにして形成された国は他に一つもない。ドイツでさえ、第2次大戦で同じ敵を相手に戦ったという以外、日本とは文化的な共通点は一切ない。
日本の抱える問題の多くは根が深く(とはいえ、例えば日本が武力衝突で他国に乗っ取られると想像するなら、いずれも解決不可能ではない)、また日本の歴史に起因するものだが、日本人以外が指摘することはないだろう。日本には独特の形で画一化され、しばしば狂信的なナショナリズムがあるからだ(これまた、「どこの国にだってある」ものではない。教養のない人間はそう信じたがるとしても)。
ここはこの手の質問をするには適していないサイトだ ― 日本についての事実を考えるに当たって君が取っている方向性は正しいが、しかし明確なアジェンダを持った人たちがネット上で点数を稼ごうと競っている場で質問しても、現実の状況について明確で理性的な理解を得るには役に立たないだろう。学術的な資料で答えを探した方が良い(ただし日本の学者の以外)。現代の日本について、お勧めできる最も重要な学術書はカレル・ヴァン・ウォルフレン『日本 権力構造の謎』だ。
■回答者2(アメリカ)
知識と経験から出発して自分の意見に到達したのなら、合理的に表現すれば、正当な意見として受け入れられるはずだ。問題なのは、日本の文化が抱える問題について大抵の解釈が安易で、日本に何年も、ことによると何十年も住んで日本について研究しないと得られないような言語と文化についての深い理解ではなく、ネットと俗説に依存しているという点だ。
ひとこと言っておくと、日本の問題について最高の批評家は日本人自身だ。日本人自身による社会的・政治的・文化的分析に比べると、ネットで読めるものは内容が薄い。そういう分析の大部分は、英語のサイトを見ている限り出てこない。
■回答者3(フランス)
ノー。彼らはあなたが無知なのかレイシストなのか偏狭なのか、あるいはその全部で、もっと日本を見て回る必要があると思うでしょうね。日本は旅行をするには本当に良い国だし。
世界のどの国も完璧ではないし、あなたが他の文化で生まれ育ったのなら確実にそうよ。
どの国にも(他の)「解決不可能な根深い問題」がある。いくつか例を上げると:私たちヨーロッパ人にとっては、銃についての憲法修正第2条が米国の「解決不可能な根深い問題」になっている。フランスでは絶えざるストが、ドイツでは車が多すぎることが(ドイツでは銃の代わりに自動車産業がロビー活動をしている)・・・等々が解決不可能な根深い問題になっている。
個人的には、最近イスラエルを含む中東の国々の多くで憂慮すべき文化的問題が生じていると思う。私なんかは自分が女性で非ムスリムだというだけで行ったら死ぬんじゃないかと思うぐらい、大きな問題だと思う。
この世に解決不可能と思える問題を抱えていない国がある?
日本には、他の国と同様に、文化的な問題がある。その問題は私たちの目には奇妙に見えるし、私たちは自分の抱える文化的な問題は別物だと思いたがっているのかも知れない。
「解決不可能な」という言葉もネガティブね。楽観的になりましょう:何だって変えられるし、それで悪くなると決まったわけじゃあない。
■回答者4
他の国と同様、日本には、一部の国民にとっては問題となる社会的要素がある。労働文化が自殺につながるケースもある。どの国も自らの文化によって、平たく言うと日々の生活の対処の仕方によって起こる問題に直面している。これは十分自信をもって言えると思っている。
もっと完全な回答をする前に、君が何を「解決不可能な問題」と見なしているのかを知る必要がある。どんな問題にも解決策があることは間違いない(その解決策が事態を良くするか更に悪化させるかは場合によるが)。編集前の元の質問では、君は「・・・言ったら頭おかしいと思われる?」と聞いている。私は精神医学的な判断を下す資格はない。しかし、君は問題を取り違えていると思う。
■回答者5(イタリア)
日本人は他の人と変わらない。だからこの質問の答えを見つけるには、自分や家族や友達ならどう反応するか、自問してみればいい。
それぐらいシンプルなことだよ。
批判は結構なことだ。君が批判ばかりするようにならない限りね。
翻訳元:Quora
「そっちこそどうなんだ主義」と言って異論を封じるのもあまり建設的でない気がするんですよね。
関連記事:
外国人「なんでお前らいつも日本の抱える問題について話してるの?」
外国人「日本の社会問題を扱ったマンガやアニメってある?」
外国人「日本人は集団主義だから社会の問題について考えない」

日本 権力構造の謎〈上〉
■回答者1(匿名)
まずこいつから片付けよう:「うん、でもそれはどこの国にもあることだよ」みたいな回答がたくさん付くだろう。これはまったく正しくない。
日本人(と、アホな日本びいき)は、日本が独特で特別だと主張したがる ― ただし、良い面についてだけ。
悪い面になると、彼らは自分を守ろうと躍起になって、自説の偽善にはまったく気づかずに日本は「他の国と同じ」だと主張する。
だから「日本も他の国と同じだよ」系の回答は全部無視していい ― これは怠惰で説得力のない、間違った「そっちこそどうなんだ主義」(Whataboutism)だ。
参考:
「そっちこそどうなんだ主義(そっちこそどうなんだしゅぎ、英語: Whataboutism)[1]は冷戦時期においてソビエト連邦(ソ連)が対西側諸国で使用したプロパガンダの手法(英語版)。ソ連が批判されたとき、その返事が「(西側諸国における事件を挙げて)~こそどうなんだ?」(英: What about...)になることから名づけられた[2][3]。いわゆるお前だって論法(英語版)[4]、つまり相手の論点に直接反論せず、相手の言動が主張と矛盾していると指摘して相手の論点の信用をなくそうとする論理的誤謬の一種である。」
そっちこそどうなんだ主義 - Wikipedia
現代の日本を歴史から切り離して考えることはできない。特に「鎖国」時代の終わりと明治維新、帝国主義的拡張、第2次大戦、現代の日本が”発明”された戦後、米国主導による経済的奇跡、そして90年代中盤からの経済的没落という歴史だ。
このようにして形成された国は他に一つもない。ドイツでさえ、第2次大戦で同じ敵を相手に戦ったという以外、日本とは文化的な共通点は一切ない。
日本の抱える問題の多くは根が深く(とはいえ、例えば日本が武力衝突で他国に乗っ取られると想像するなら、いずれも解決不可能ではない)、また日本の歴史に起因するものだが、日本人以外が指摘することはないだろう。日本には独特の形で画一化され、しばしば狂信的なナショナリズムがあるからだ(これまた、「どこの国にだってある」ものではない。教養のない人間はそう信じたがるとしても)。
ここはこの手の質問をするには適していないサイトだ ― 日本についての事実を考えるに当たって君が取っている方向性は正しいが、しかし明確なアジェンダを持った人たちがネット上で点数を稼ごうと競っている場で質問しても、現実の状況について明確で理性的な理解を得るには役に立たないだろう。学術的な資料で答えを探した方が良い(ただし日本の学者の以外)。現代の日本について、お勧めできる最も重要な学術書はカレル・ヴァン・ウォルフレン『日本 権力構造の謎』だ。
■回答者2(アメリカ)
知識と経験から出発して自分の意見に到達したのなら、合理的に表現すれば、正当な意見として受け入れられるはずだ。問題なのは、日本の文化が抱える問題について大抵の解釈が安易で、日本に何年も、ことによると何十年も住んで日本について研究しないと得られないような言語と文化についての深い理解ではなく、ネットと俗説に依存しているという点だ。
ひとこと言っておくと、日本の問題について最高の批評家は日本人自身だ。日本人自身による社会的・政治的・文化的分析に比べると、ネットで読めるものは内容が薄い。そういう分析の大部分は、英語のサイトを見ている限り出てこない。
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■回答者3(フランス)
ノー。彼らはあなたが無知なのかレイシストなのか偏狭なのか、あるいはその全部で、もっと日本を見て回る必要があると思うでしょうね。日本は旅行をするには本当に良い国だし。
世界のどの国も完璧ではないし、あなたが他の文化で生まれ育ったのなら確実にそうよ。
どの国にも(他の)「解決不可能な根深い問題」がある。いくつか例を上げると:私たちヨーロッパ人にとっては、銃についての憲法修正第2条が米国の「解決不可能な根深い問題」になっている。フランスでは絶えざるストが、ドイツでは車が多すぎることが(ドイツでは銃の代わりに自動車産業がロビー活動をしている)・・・等々が解決不可能な根深い問題になっている。
個人的には、最近イスラエルを含む中東の国々の多くで憂慮すべき文化的問題が生じていると思う。私なんかは自分が女性で非ムスリムだというだけで行ったら死ぬんじゃないかと思うぐらい、大きな問題だと思う。
この世に解決不可能と思える問題を抱えていない国がある?
日本には、他の国と同様に、文化的な問題がある。その問題は私たちの目には奇妙に見えるし、私たちは自分の抱える文化的な問題は別物だと思いたがっているのかも知れない。
「解決不可能な」という言葉もネガティブね。楽観的になりましょう:何だって変えられるし、それで悪くなると決まったわけじゃあない。
■回答者4
他の国と同様、日本には、一部の国民にとっては問題となる社会的要素がある。労働文化が自殺につながるケースもある。どの国も自らの文化によって、平たく言うと日々の生活の対処の仕方によって起こる問題に直面している。これは十分自信をもって言えると思っている。
もっと完全な回答をする前に、君が何を「解決不可能な問題」と見なしているのかを知る必要がある。どんな問題にも解決策があることは間違いない(その解決策が事態を良くするか更に悪化させるかは場合によるが)。編集前の元の質問では、君は「・・・言ったら頭おかしいと思われる?」と聞いている。私は精神医学的な判断を下す資格はない。しかし、君は問題を取り違えていると思う。
■回答者5(イタリア)
日本人は他の人と変わらない。だからこの質問の答えを見つけるには、自分や家族や友達ならどう反応するか、自問してみればいい。
それぐらいシンプルなことだよ。
批判は結構なことだ。君が批判ばかりするようにならない限りね。
翻訳元:Quora
「そっちこそどうなんだ主義」と言って異論を封じるのもあまり建設的でない気がするんですよね。
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日本 権力構造の謎〈上〉
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肝心のテーマが無いんだけど、アホちゃうか