海外Q&Aサイトの「なぜ日本人は英語が下手なの?」という質問から、回答をご紹介。
■回答者1(匿名)
私は英語の教師ではないが、日本に住んでいて、英語の教師の友人もたくさんいる。
学校で外国語を勉強したことがあるなら、まず自分に尋ねてみるといい。
そしてその外国語で十分上手に話せるようになったのなら、自分や同じ授業に出ていた友人に聞いてみるといい。日本人が外国語を学ぶのと同じだ。日本人が英語を知っているべきだと言うなら、君もフランス語やドイツ語を学ぶべきじゃないのか? アメリカじゃフランス語やドイツ語は話すことがないからって? いいか、日本も含めて、世界のどこでだって同じことは言えるんだぞ!
他にも目立った理由がある。
第一に、日本ではほぼ英語を必要とせずに一生暮らすことができる。法律、標識、TV番組に映画、全部日本語だ。英語を話さない他の国々と違って、医学用語はほぼすべて日本語になっている。例えばAIDSのことは英語風に「エイズ」と言ってもいいが、医学用語だと後天性免疫不全症候群と、長くて言いにくい単語になる。日本人は英語なしでも、平均余命では世界で最も豊かな国のモナコに次いで2位で非常に長く生きることができる。このため英語を学ぶ動機がほとんどない。私の考えでは、これはそう悪いことではない。
第二に、英語の教育法が良くない。これはヨーロッパのいくつかの国でも同じらしい。例えばフランスでは、英語の教育は文法、読解、作文、そしてごくわずかな会話に限られている。その結果、教師は英語を教えるのに実際に英語を上手に話せる必要がない。フランスと日本の違いは、ヨーロッパでは英語メディアがたくさんあることだが、もっと重要なのは英語からゲルマン系またはロマンス系の言語へはそう遠く離れていないということだ。日本語は外国語学校でよくアメリカ人にとって最も学ぶのが難しい言語と評価されるし、おそらく逆も真だろう。
もう一つはメディアの文化だ。非英語話者のヨーロッパ人は、独立と自己実現という点でアメリカ人に自分と似たところを多く見つけて、英語メディアに共感するだろう。文化は非常に似ている。これが英語メディアにもっと触れようという動機づけになる。しかし日本人にとっては、自分自身を重要視し、復讐のために成功することとか皮肉たっぷりの意見を高く評価するような人間には関心がないだろう。そのため英語の番組は彼らにとって必ずしも面白いものではない。
またもう一つ重要なのは日本の英会話学校だ。日本にはこうした学校で教えている外国人の教師がたくさんいるが、ここには実に多くの問題がある。
■回答者2(D Monaghan アメリカ)
君が聞きたいのは、高いレベルで英語を話せる日本人がなぜもっとたくさんいないのか、ということかな。
書き言葉の英語の能力(読解)については、大抵の日本人がきわめて高いレベルにあると思う。書くほうも、"the"と"a"の使い分けや"except"と“would/should/could”の配列といった点を除き、まずまず通じる。
分かると思うが、英語が難しいわけではなくて、日本人は何をするにも完璧であることを学んでしまっているのが問題なんだ。
(日本では)何にでも「仕方」(※原文ママ)がある。日本人は知らないうちに、何をするにもたった一つの正しい仕方があるという考えを身につけている。何にでも(アルファベットの文字を書くことにさえ)、「正しい仕方」がなければならない。漢字には書き順があるんだから、アルファベットにだって当然同じものがあるだろう?
そして「正しい仕方」を探すうちに、彼らは英語を使うのにたった一つの正しい仕方などないということを見落としてしまう。日本人はいつも完璧な一つのパターンを探す。言語を再構築するか何かして最終的に使えるように、理解の深層を探る。そして日本人は行き詰まる。どんな完璧なフレーズを使うか思案するうち、そのタイミングは過ぎ去る。そして次のタイミングも過ぎ去る。そして彼らが一言も発しないまま、会話は終わる。
この沈黙が、日本人は英語が下手だという通念を補強する。さらに自分が英語を「少しもできない」という信念も強める。そしてこの信念が一周して、話し方が分からなくなる(自分が喋れないと信じている人は喋ろうとしない。自分が学べないと信じている人は学ぼうとしない)。
そしてこの信念のせいで、学習はいよいよ困難になる。
そして「正しい仕方」への信念のために、典型的な日本人がとる解決策は、中学の英文法を「学び直す」ことだ!
さもなければ、
会話の練習をするために「英会話学校」に行く。
どちらも発想としてまずいもので、英語の理解力や話す能力、読み書きする能力を向上させるのには役に立たない。
ということで、日本人が英語を学ぶのに苦労している理由は、英語を学べないと信じさせる文化的な条件付けがあるからだ。単純なことだ。
■回答者3(Ownby Matthew Dean)
真の原因は一つだけではないだろう。いくつかの要因が組み合わさって、多くの日本人にとって一般に外国語を学ぶことが困難になっている。考えられる理由をいくつか挙げると:
また日本語と英語は全く異なった言語だということも忘れてはいけない。英語のネイティブスピーカーからすると、日本語は学ぶのが最も難しい言語の一つだ。外務職員局(※外交官などの専門職を養成する米国務省の機関)は日本語をカテゴリー5にランク付けしている。最高のランクだ。したがって、日本語が私たちにとってそれほど難しいなら、英語が彼らにとって非常に難しいのも不思議はない。
■回答者4(Craig Arthur イギリス)
これは、日本人自身が残念ながらしきりに決めつけたがる迷信みたいなものだ。
日本人は英語の能力に関して、実際には中の上程度に位置している。
EF EPI 2017 - EF 英語能力指数(英語)
また自分が日本に住んだ経験からも、日本人の多くは英語の能力を有している。実際、ランキングではフランスより少し下だが、フランスよりも日本の方が英語は通じた。
特に東京では、周囲2、3メートルに英語が話せる人がいないことはめったにない。電車に乗ればいつも、英語の学習についての本を読んでいる人を見かけるだろう。
君に一つ課題を出そう:首都圏の電車で、英語教育事業の広告が一つもない車両を見つけてみてくれ。大変なことになるぞ。
しかし日本人と英語にまつわる問題点は、彼らの知識が書かれた英語にすごく偏っているという点だ。日本の企業にメールを送ると、きちんとした返信が返ってくることはほぼ間違いない。ところが電話をすると、こちらは当たり外れがずっと激しい。
この問題の一部は、英語と日本語の違いだ。
英語で話すときには気持ちが重要になる。実際に使う言葉は、その背後にある思考と感情にとっては非常に二次的なものだ。言い間違えは非常に多い。
ところが日本語では、何より大事なのは言葉の選択だ。どんな言葉やニュアンスを使うかが、コミュニケーションにとってはきわめて重要だ。
日本人が行き詰まることがあるのは、二通りのものの考え方の間を移行するときだ。彼らは単に内気すぎて、知っている英語があっても使ってみようとしない。間違いをして、ひどい誤解をされないかと恐れすぎている。そして一切何も言わないほうがましだと思っているんだ。
翻訳元:Quora
まず話す機会がないんですよね。
2019-04-16:回答者の名前を追記
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■回答者1(匿名)
私は英語の教師ではないが、日本に住んでいて、英語の教師の友人もたくさんいる。
学校で外国語を勉強したことがあるなら、まず自分に尋ねてみるといい。
そしてその外国語で十分上手に話せるようになったのなら、自分や同じ授業に出ていた友人に聞いてみるといい。日本人が外国語を学ぶのと同じだ。日本人が英語を知っているべきだと言うなら、君もフランス語やドイツ語を学ぶべきじゃないのか? アメリカじゃフランス語やドイツ語は話すことがないからって? いいか、日本も含めて、世界のどこでだって同じことは言えるんだぞ!
他にも目立った理由がある。
第一に、日本ではほぼ英語を必要とせずに一生暮らすことができる。法律、標識、TV番組に映画、全部日本語だ。英語を話さない他の国々と違って、医学用語はほぼすべて日本語になっている。例えばAIDSのことは英語風に「エイズ」と言ってもいいが、医学用語だと後天性免疫不全症候群と、長くて言いにくい単語になる。日本人は英語なしでも、平均余命では世界で最も豊かな国のモナコに次いで2位で非常に長く生きることができる。このため英語を学ぶ動機がほとんどない。私の考えでは、これはそう悪いことではない。
第二に、英語の教育法が良くない。これはヨーロッパのいくつかの国でも同じらしい。例えばフランスでは、英語の教育は文法、読解、作文、そしてごくわずかな会話に限られている。その結果、教師は英語を教えるのに実際に英語を上手に話せる必要がない。フランスと日本の違いは、ヨーロッパでは英語メディアがたくさんあることだが、もっと重要なのは英語からゲルマン系またはロマンス系の言語へはそう遠く離れていないということだ。日本語は外国語学校でよくアメリカ人にとって最も学ぶのが難しい言語と評価されるし、おそらく逆も真だろう。
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外国人「なぜ他の国は日本の学校のシステムを採用しないの?」
もう一つはメディアの文化だ。非英語話者のヨーロッパ人は、独立と自己実現という点でアメリカ人に自分と似たところを多く見つけて、英語メディアに共感するだろう。文化は非常に似ている。これが英語メディアにもっと触れようという動機づけになる。しかし日本人にとっては、自分自身を重要視し、復讐のために成功することとか皮肉たっぷりの意見を高く評価するような人間には関心がないだろう。そのため英語の番組は彼らにとって必ずしも面白いものではない。
またもう一つ重要なのは日本の英会話学校だ。日本にはこうした学校で教えている外国人の教師がたくさんいるが、ここには実に多くの問題がある。
- 教師は通常、英語ネイティブの国々から取られる。もし君が英語の資格を持っていて流暢に話せるが英語を話さない国の出身だとすると、教師としてのスキルが皆無のアメリカ人やイギリス人が君の代わりに仕事を手に入れるかもしれない。これは、資格もなければ日本語のスキルもほぼゼロで日本で10年間教えている英語のネイティブスピーカーと、非ネイティブだが卓越した国際経験とアメリカ式アクセント、そして流暢な日本語を身につけていながら、飲食関係以外の仕事に就くのに苦労している人の、直接の経験から聞いた話だ。
- このため日本には、ヘレン・ケラーとは呼べない、必ずしも喜びとひたむきさをもって教えてはいないアメリカ人やイギリス人が溜まっている。良い教師もたくさんいるので一般化するつもりはないが、しかし彼らのうちかなりの部分は日本に滞在するためのビザが欲しいだけで、教育法には必要最低限しか従わない。教育が天職というような人もいるが、外国人の教師に関しては、何を動機として教師をしているのか、それが教え方にどう影響しているのかも見る必要がある。
■回答者2(D Monaghan アメリカ)
君が聞きたいのは、高いレベルで英語を話せる日本人がなぜもっとたくさんいないのか、ということかな。
書き言葉の英語の能力(読解)については、大抵の日本人がきわめて高いレベルにあると思う。書くほうも、"the"と"a"の使い分けや"except"と“would/should/could”の配列といった点を除き、まずまず通じる。
分かると思うが、英語が難しいわけではなくて、日本人は何をするにも完璧であることを学んでしまっているのが問題なんだ。
(日本では)何にでも「仕方」(※原文ママ)がある。日本人は知らないうちに、何をするにもたった一つの正しい仕方があるという考えを身につけている。何にでも(アルファベットの文字を書くことにさえ)、「正しい仕方」がなければならない。漢字には書き順があるんだから、アルファベットにだって当然同じものがあるだろう?
関連記事:
外国人「日本人は漢字を書く時にいちいち書き順を守っているの?」
そして「正しい仕方」を探すうちに、彼らは英語を使うのにたった一つの正しい仕方などないということを見落としてしまう。日本人はいつも完璧な一つのパターンを探す。言語を再構築するか何かして最終的に使えるように、理解の深層を探る。そして日本人は行き詰まる。どんな完璧なフレーズを使うか思案するうち、そのタイミングは過ぎ去る。そして次のタイミングも過ぎ去る。そして彼らが一言も発しないまま、会話は終わる。
この沈黙が、日本人は英語が下手だという通念を補強する。さらに自分が英語を「少しもできない」という信念も強める。そしてこの信念が一周して、話し方が分からなくなる(自分が喋れないと信じている人は喋ろうとしない。自分が学べないと信じている人は学ぼうとしない)。
そしてこの信念のせいで、学習はいよいよ困難になる。
そして「正しい仕方」への信念のために、典型的な日本人がとる解決策は、中学の英文法を「学び直す」ことだ!
さもなければ、
会話の練習をするために「英会話学校」に行く。
どちらも発想としてまずいもので、英語の理解力や話す能力、読み書きする能力を向上させるのには役に立たない。
ということで、日本人が英語を学ぶのに苦労している理由は、英語を学べないと信じさせる文化的な条件付けがあるからだ。単純なことだ。
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■回答者3(Ownby Matthew Dean)
真の原因は一つだけではないだろう。いくつかの要因が組み合わさって、多くの日本人にとって一般に外国語を学ぶことが困難になっている。考えられる理由をいくつか挙げると:
- 英語より日本語のほうが音の数が少ない。単語を覚えるには、音を正確に聞くことが大きく役立つ。しかし、その音がそもそも母語にない場合は、聞くのにも発音するのにも本当に努力しなければならない。これは単なるlとrの違いという問題以上のものだ。
- 完璧に話せなかったり間違ったりして失礼に思われないかと恐れている日本人はあまりに多い。こうした考え方のために、日本人が英会話教室以外の場所で外国人に気楽に英語を話す機会は大いに減ることになる。実際には英語が大得意という人もいるだろうが、それを話すのを私たちが聞くことはない。
- 日本の教育システムは文法に重点を置いていて、実際の会話は比重がずっと小さい。また実用より、特定の試験をパスすることにも重点が置かれている。英会話の授業に出て補うということもできる。しかし英語を話すことはなく翻訳の作業を大量にやるような英語の授業もあった。これは外国語を学ぶには非常に時間のかかるやり方だ。
また日本語と英語は全く異なった言語だということも忘れてはいけない。英語のネイティブスピーカーからすると、日本語は学ぶのが最も難しい言語の一つだ。外務職員局(※外交官などの専門職を養成する米国務省の機関)は日本語をカテゴリー5にランク付けしている。最高のランクだ。したがって、日本語が私たちにとってそれほど難しいなら、英語が彼らにとって非常に難しいのも不思議はない。
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■回答者4(Craig Arthur イギリス)
これは、日本人自身が残念ながらしきりに決めつけたがる迷信みたいなものだ。
日本人は英語の能力に関して、実際には中の上程度に位置している。
EF EPI 2017 - EF 英語能力指数(英語)
また自分が日本に住んだ経験からも、日本人の多くは英語の能力を有している。実際、ランキングではフランスより少し下だが、フランスよりも日本の方が英語は通じた。
特に東京では、周囲2、3メートルに英語が話せる人がいないことはめったにない。電車に乗ればいつも、英語の学習についての本を読んでいる人を見かけるだろう。
君に一つ課題を出そう:首都圏の電車で、英語教育事業の広告が一つもない車両を見つけてみてくれ。大変なことになるぞ。
しかし日本人と英語にまつわる問題点は、彼らの知識が書かれた英語にすごく偏っているという点だ。日本の企業にメールを送ると、きちんとした返信が返ってくることはほぼ間違いない。ところが電話をすると、こちらは当たり外れがずっと激しい。
この問題の一部は、英語と日本語の違いだ。
英語で話すときには気持ちが重要になる。実際に使う言葉は、その背後にある思考と感情にとっては非常に二次的なものだ。言い間違えは非常に多い。
ところが日本語では、何より大事なのは言葉の選択だ。どんな言葉やニュアンスを使うかが、コミュニケーションにとってはきわめて重要だ。
日本人が行き詰まることがあるのは、二通りのものの考え方の間を移行するときだ。彼らは単に内気すぎて、知っている英語があっても使ってみようとしない。間違いをして、ひどい誤解をされないかと恐れすぎている。そして一切何も言わないほうがましだと思っているんだ。
翻訳元:Quora
まず話す機会がないんですよね。
2019-04-16:回答者の名前を追記
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