海外Q&Aサイトの「日本で貧乏な家ってどんな感じなの?」という質問から、回答をご紹介。
■回答者1(アメリカ)
日本の最貧困層は、一般的に言って、シングルマザーだ。知り合いに数人いるが、総じて辛い目に遭っている。その理由の多くは、日本の社会が母親は当然結婚するものと考える傾向があり、したがって会社も女性には男性より給与を低くし、フルタイムでは雇用しない傾向があるからだ。そのうえ子供を育てるのにはバカバカしいほど金がかかる。
とはいえ状況は、他の、例えば米国の多くの地域などに比べると、それほど悪くはない。
日本では生活賃金(※労働者が自分の家族にある程度の生活水準を供給できる賃金)が支払われる。コンビニエンスストアの非熟練労働者でさえ時給900円ぐらいを稼いでいて、1日8時間、月に20日働けば(平日のみの普通の9時5時の仕事)、月に約14万円(約1,300ドル)を稼げる。これは大抵の地域で生活していくのに十分だ(東京のような土地では違うが)。ただ、子供一人に食べるものと着るものも与えるとなると非常にきついだろう。通常、市役所が安い公営住宅、児童手当、その他の補助金を出している。
比較のために言うと、平均的な日本のサラリーマンが月に稼ぐ額は、20万から25万の間のどこかだ。
このため日本のジニ係数は0.35だ。日本の社会は一般に、所得分配という点ではきわめて平等だからだ。
家がなく衣食にも事欠くような、本当に貧しい人々が日本にはあまりいないという意味ではないが、しかし一般に目にするのは深刻なメンタルヘルスの問題だ。
有名な「ひきこもり」(家から出ない人、または世捨て人 ― ひどい社会不安を抱えていることが多い)でさえ、オンラインで仕事を見つけることはよくある。知り合いのひきこもりは(初めて会ったときはひきこもりではなかったのだが、頭がおかしくなるようなトラウマ的経験がいくつかあってそうなった)、実際にアパートでぬくぬくしながらオンラインで月に25万円ぐらい稼いだ。
日本は完璧ではない。しかし幅広い文化的・歴史的理由により、多くの国で見られるような驚くほどの貧困や経済的不安定といったものは、そう大きな要素ではない。
とはいえ、学校では周りより貧しい子供は見分けられる ― 週末には臭くなるんだ。これは親が制服を1着しか買えなくて、制服はドライクリーニングに出す必要があって、そのため1週間ずっと同じ制服を毎日着ている(そして週末にクリーニングに出す)からだ。
■回答者2(インドネシア)
インドネシア出身で、今は日本に住んでいる。自信をもって言えるのは、日本では、働く意思がある限り、仕事は簡単に見つかるということだ。スキルや何かを特に持っていなくてもだ。
私自身は時給1,000円で働いていて、日本語は話すこともできない。
そして、日本人の暮らしぶりと私の国の人々を比べると、天と地ほどの開きがある。日本で貧しいと考えられている人々は、私の国では余裕で中の下程度だ。
■回答者3(ニュージーランド)
世界中の貧しい家族の多くと似たようなものだ。シングルマザーはおそらく3つの仕事を掛け持ちして、家計のやりくりに苦労している。多くの場合、子供ができると仕事を辞めざるを得なくなり、専門的なスキルは限定的かあるいは全くなくて、まともな就労経験がない。子どもたちはお腹を空かせて学校に行くか、あるいは給食費を支払えない。安い住居や補助金の出る住居に住んでいることもある(シングルマザー等は家賃の安い公営住宅に応募すると優先してもらえる)。
翻訳元:Quora
ご無沙汰しておりました。3週間ほど更新をさぼって、救急車で運ばれたりプチ入院したりしました。てへぺろ。
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■回答者1(アメリカ)
日本の最貧困層は、一般的に言って、シングルマザーだ。知り合いに数人いるが、総じて辛い目に遭っている。その理由の多くは、日本の社会が母親は当然結婚するものと考える傾向があり、したがって会社も女性には男性より給与を低くし、フルタイムでは雇用しない傾向があるからだ。そのうえ子供を育てるのにはバカバカしいほど金がかかる。
とはいえ状況は、他の、例えば米国の多くの地域などに比べると、それほど悪くはない。
日本では生活賃金(※労働者が自分の家族にある程度の生活水準を供給できる賃金)が支払われる。コンビニエンスストアの非熟練労働者でさえ時給900円ぐらいを稼いでいて、1日8時間、月に20日働けば(平日のみの普通の9時5時の仕事)、月に約14万円(約1,300ドル)を稼げる。これは大抵の地域で生活していくのに十分だ(東京のような土地では違うが)。ただ、子供一人に食べるものと着るものも与えるとなると非常にきついだろう。通常、市役所が安い公営住宅、児童手当、その他の補助金を出している。
比較のために言うと、平均的な日本のサラリーマンが月に稼ぐ額は、20万から25万の間のどこかだ。
このため日本のジニ係数は0.35だ。日本の社会は一般に、所得分配という点ではきわめて平等だからだ。
家がなく衣食にも事欠くような、本当に貧しい人々が日本にはあまりいないという意味ではないが、しかし一般に目にするのは深刻なメンタルヘルスの問題だ。
有名な「ひきこもり」(家から出ない人、または世捨て人 ― ひどい社会不安を抱えていることが多い)でさえ、オンラインで仕事を見つけることはよくある。知り合いのひきこもりは(初めて会ったときはひきこもりではなかったのだが、頭がおかしくなるようなトラウマ的経験がいくつかあってそうなった)、実際にアパートでぬくぬくしながらオンラインで月に25万円ぐらい稼いだ。
日本は完璧ではない。しかし幅広い文化的・歴史的理由により、多くの国で見られるような驚くほどの貧困や経済的不安定といったものは、そう大きな要素ではない。
とはいえ、学校では周りより貧しい子供は見分けられる ― 週末には臭くなるんだ。これは親が制服を1着しか買えなくて、制服はドライクリーニングに出す必要があって、そのため1週間ずっと同じ制服を毎日着ている(そして週末にクリーニングに出す)からだ。
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↑コメント1
君は一番貧しいのはシングルマザーだと言う。それから平均的な男性サラリーマンは月に20から25万稼ぐと言う。しかし東京で二人の子持ちのシングルマザーは、市と中央政府からの手当てで合計25万以上を貰っている。また交通機関や健康保険といった他の補助金も得ている。シングルマザーはお金を稼ぐことも許されているし、現金で稼ぐことのできる人も当然いる。
↑コメント2(アメリカ)
何でもかんでも「米国のおぞましい実態」と比較するのが今の流行りだということは分かるが、正直この比較には戸惑っている。当てはまる場合もあるが、そうでない場合もある。
日本の1人当たりGDP(PPP)は約3万8,000ドルだ。米国の最も貧しい州(ミシシッピ州)は3万6,000。日本の最も豊かな地域(南関東)は4万4,000。米国の平均は5万9,000。日本の平均的な地域は、米国の最も貧しい地域と同程度だ。
米国の連邦最低賃金は時給7.25ドルだ。月に160時間働けば、1,160ドルになる。したがって「生活賃金」と「非生活賃金」の差は、月1,160ドルと月1,300ドルの差だろうか? もし米国で連邦最低賃金を稼げば、生活費の非常に安い地域で暮らして行けることはまず間違いない。
米国の最下層12%の世帯あたり収入は約18,000ドルだ。君が出している最低賃金の例だと約15,600ドルだろう。この2つの例の生活費は比較可能だ。
この差は、各集団にとって利用可能な社会制度によるものだと言えるだろうが、しかしこれは、必ずしも日本が途方もなく気前のいい社会制度を提供しているということではない。日本はごく穏健だ。米国で最低賃金を稼げば、メディケイド(※米連邦政府の公的医療保険制度の一つ)、SNAP(※補助的栄養支援プログラム、いわゆるフードスタンプ)、EITC(※勤労所得税額控除)の資格が得られるし、WIC(※低所得者層向けの食料配給制度)も可能だ。米国の医療が貧しい人々にとって最悪であることは確かだとしても、メディケイドは基本的な要求を満たすのにまずまずの働きをしている。
どちらのほうが著しく悪い状況にあるか、一概には言えない。
↑コメント3(アメリカ)
そうだな。日本には何十年も住んでいて、ほとんどあらゆる階層の生活を目にした。もし自分が非常に貧しかったら、日本よりもミシシッピ州を選ぶというのはありえない。日本では貧しい人々も良質の医療と、また言うまでもなく素晴らしい教育を受けることができる。シングルマザーには、まともな地域なら補助金の出る「母子家庭」の住宅がある。どこであれ貧しいのは愉快なことじゃあない。しかしこの目的のために米国と日本の所得を単純に比較することはできない。
↑コメント2
で、君はミシシッピ州でも同じだけ長く過ごしたんだよね? それとも30年前の様子を思い出しているのかもな。仕事で外国に駐在している人は、米国についてよくそういうふうに考える。
貧困状態で暮らすのは難しいことだし、自分が貧困でなければ貧困とはどんなものかを理解するのも難しい。だから統計と経済的データを使って貧困について客観的な比較をするんだ。君の主観的な逸話は結構だが、データはそれを裏付けていない。米国に比べて日本は一様に賃金が低く、生活費が高い国だ。この二つの社会の最下層5%の購買力には大きな隔たりはない。日本の貧しい人々のほうが良いサービスを受けているかもしれないが(母子家庭向けの住宅もある)、しかし米国は、家に車にTV、電子レンジにスマートフォン等を所有して、毎日十分なカロリーを摂取して肥満になって、それでも貧しいと見なされることのある世界で唯一の国だ。関連記事:
外国人「なぜ日本人は子供の頃から肥満が少ないの?」→「あいつらめちゃくちゃ歩くぞ」
↑コメント3
ありがとう。ミシシッピ州で同じぐらい長く過ごしたいとは思わないな。また君の言う「仕事で外国に駐在している人」でもない。家賃や生活費を会社にもってもらったことはない。私は働いて、日本人と結婚して、日本で子供を育てた。「仕事で外国に駐在している人」の集まる地域に住んだこともない。40年間でいろいろなものを見てきたが、貧しい人は日本でのほうが良くやっているというのは、いい加減なことを言っているわけじゃない。
↑コメント4
これはコメント3に同意したい。日本の貧しい人々と比べて米国のスラム街を見ると、日本には貧しい人々でも暮らしやすくなるような政府のインフラがたくさんある。日本のミニマリズムと清潔さの文化は、米国の過剰消費の文化よりずっと良い。賃金と給与の単なる客観的な比較の問題じゃないんだ。生活水準に寄与する他の要因も考慮に入れたほうがいい。スポンサーリンク
↑コメント5
良い回答ね! でも子どもたちが学校に通っていた頃、私の知っているほとんどの人は、どんな意味でも貧しくはなかったけれど、中学と高校の制服は一着だけだったわ。自分の子どもたちや他の子どもたちが臭かったかは覚えてない :)
↑コメント6(フィリピン)
私はフィリピンの小さな島で育って、家族は経済力という点では一番貧しい部類だった。子供は7人いた。男の子3人が年上で、私たち女の子が年下だった。女の子4人はみんな同じ公立校で勉強した。私と妹たちの制服は姉のお下がりで、毎年1着しかなかった。でも洗濯とアイロンがけをしないで制服を着続ける必要はなかった。学校から帰るとすぐに、学校の宿題をするよりも先に、制服を手洗いして外に干して乾かした。干した制服は朝早く、学校に行く前にアイロンがけをした。一度着た服をお風呂に入った後でまた着てはいけなかった。お風呂は朝学校に行く前に入らなければならなかった。
ボタンがとれたり、靴下も含めてほころびができたときは、自分で繕いをした。私たちはこういうことをするのに両親に頼ったことはなかった。7歳になる頃には、こうしたちょっとした義務を自分でやるように教えられた。臭くなるのは貧しいからじゃあない。小さいうちに自分の身の回りの義務を果たすことを子供に教えるのよ。そうすれば生活が貧しいという課題に対処できるようになるだけでなく、この先直面することになる困難への備えをさせることになる。
↑コメント7(韓国系?)
日本では、特に冬の間は、そう簡単に制服を乾かせないんだ。コートを着ていて、手洗いではなくドライクリーニングする必要がある。僕は洗濯・脱水に洗濯機を使っていたけれど、ちゃんと乾かすにはそれだけで12時間かかる。外に干すのは普通の冬の洋服だけだ。学校の分厚いコートを手洗いして乾かすなんて想像もできない。家に帰る時間と学校に行く時間を計算しなくても分かる。つまり、日に当たらない状態で、放課後の部活動によっては8~12時間で乾かさなければならないんだ。
フィリピンの制服は熱帯気候のため繊維がすごく薄くて、すごく簡単に乾くから、一着の制服で十分なんだ。
■回答者2(インドネシア)
インドネシア出身で、今は日本に住んでいる。自信をもって言えるのは、日本では、働く意思がある限り、仕事は簡単に見つかるということだ。スキルや何かを特に持っていなくてもだ。
私自身は時給1,000円で働いていて、日本語は話すこともできない。
そして、日本人の暮らしぶりと私の国の人々を比べると、天と地ほどの開きがある。日本で貧しいと考えられている人々は、私の国では余裕で中の下程度だ。
関連記事:
外国人「日本で働きたいんだけど、日本語能力試験のN5レベルで十分かな?」→「絶対無理だわ」
■回答者3(ニュージーランド)
世界中の貧しい家族の多くと似たようなものだ。シングルマザーはおそらく3つの仕事を掛け持ちして、家計のやりくりに苦労している。多くの場合、子供ができると仕事を辞めざるを得なくなり、専門的なスキルは限定的かあるいは全くなくて、まともな就労経験がない。子どもたちはお腹を空かせて学校に行くか、あるいは給食費を支払えない。安い住居や補助金の出る住居に住んでいることもある(シングルマザー等は家賃の安い公営住宅に応募すると優先してもらえる)。
翻訳元:Quora
ご無沙汰しておりました。3週間ほど更新をさぼって、救急車で運ばれたりプチ入院したりしました。てへぺろ。
関連記事:
外国人「日本で貧乏な人って何を食べてるの?」→「スーパーの値引き品を狙う!」
外国人「日本人にこれだけは言いたいって事ある?」→「人口問題をどうにかしろ」
新版 貧困旅行記 (新潮文庫)
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インフルエンザでもやったか?
日本は賃金格差を表すジニ係数では高くもなく低くもなく
とはいえ低いところは軒並み北欧の高負担高福祉国家だしな
経済規模も社会の仕組みも全然違う