海外Q&Aサイトの「なぜ多くの日本人は魚を皮がついたままで調理して食べるの?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(アメリカ)
日本人だけじゃないよ。アジア諸国ではたいていそうだと思う。風味と食感だ。

アメリカでも良質のレストランだとそうしているところは多い。実際、個人的には、皮のないサーモンとかは注文しない。皮がない場合は絶対レアで注文する。

それぐらい大きな違いがあるんだ。

理由は二つ。風味と食感。

皮の下には、すごく美味い脂の層があることが多い。冷たい水で獲れた魚ほど、この層ははっきりしている。

豊かな味わいだ。

皮が身をしっとりした状態に保つ(水分を閉じ込める)だけでなく、魚が「休んで」いる間にこの脂の層が吸収されることで、最高に美味く、しっとりした状態になる。

水気がなくてパサパサした、熱を通しすぎの魚は嫌いだ。ほんと嫌い。

こうした魚の皮を剥ぐのは、サンクスギビングデーの七面鳥の皮を焼く前に剥ぐようなものだ。

当然、七面鳥はカラカラに乾ききってしまうだろう。どんな味になるかは誰だって分かるよな? 肉汁がなさすぎて飲み込めないほどだ!

君は、皮を剥いで乾いた七面鳥を・・・いやつまり、魚を食べ慣れているんだろう。さらに西洋人はよく、オランデーズソースやベアルネーズソース(あるいはケチャップ)とかで魚に脂を追加する。

皮のついた状態のを注文してみるといい。そしてナイフかフォークを皮に沿って走らせて、この脂の層の中にある最大限の風味を出してみるんだ。

そうすれば理由が分かるだろう!

後で自分に尋ねたくなるかもな・・・なぜアメリカ人はたいてい皮のない状態で魚を焼くんだ?

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■回答者2(アメリカ)
考えてみると、魚を皮つきの状態で出すのって日本の料理だけなんだろうか?

軽く調べてみたところ、それほど一般的ではないということが分かった(アイスランドでは簡単に見つかるだろうけど・・・)。

NYでも東京でも一番人気のある寿司の一つがサーモンスキンロールだ。肉はほぼないが、皮を炙って巻き物にしてある。

参考:
サーモンスキンロールは、焼いたサーモンの皮、きゅうり、アボカド等を使った巻き寿司。

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画像出所:How to make salmon skin roll, salmon skin roll recipe| Make Sushi(英語)

日本では伝統的な寿司の食べ方のマナーを遵守する人が多い。まずは「ヒカリモノ」から始める。“shiny items”という意味だ。銀色の皮の魚のことで、食べたがらない人もいる。実際魚独特の臭みがある。

それから貝、皮のない白身魚、そして貝に進んで、最後はオムレツのような卵で締める。

皮のついた状態の魚やウナギもある。寿司屋ではなぜか海水に棲むウナギ(※穴子)しか出さなくて、淡水のウナギは別のタイプの店でだけ出される。

日本人の全員が以上の慣習に従っているわけじゃないけど、カリフォルニアロールを作ってくれない店もあるかもしれない。そういう店は伝統を忠実に守っているか、あるいは単に、米国やその他の国で出てくるようなカニ風味の魚のすり身(※カニカマ)を置いていないんだと思う。

サーモンスキンロールを食べてみるといい。

あと、君が火を通した魚しか食べたことがないのなら、皮が美味しそうだと思うのも納得できる。



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■回答者3
そうしない理由があるか? 実際これをやるのは日本だけじゃなくて、他の多くのアジア諸国(例えばインドネシア)もそうだ。

理由に関しては、僕は食いしん坊の観点からしか回答できない。

皮は食べ物の中で最高の部位の一つだ。KFCのジューシーなフライドチキンを、ただし皮なしで食べるのを想像してみてくれ。サクサク感がどこにある? 風味はどこにある? 柔らかさとカリッとした部分の食感の明確な違いはどこに?

アメリカのBBQにもこれは共通で、例のジョッシュ・キャポン(※Josh Capon、アメリカのシェフ・TV出演者)はYouTubeの動画でこう言っている:「そして忘れないで、脂は風味なんです」。魚の皮の下には脂があり、脂の多く乗った魚もある。この皮が付いたままの状態で焼くと、魚肉には一層の風味が生じ、はるかにジューシーになり、さらに皮なしで焼いた魚の乾いた塊とは違って、しっとりした状態が保たれる。

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日本の焼いたサンマ

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インドネシアの焼いたティラピア

こんなん昼夜問わずいつだって食えるわ。



■回答者4
これはむしろ、なぜアメリカ人は魚の切り身や、フィッシュ・フィンガー(※細長く切った魚のフライ)のような魚の加工食品しか食べないのかという問題よ。日本も含めて多くの食文化では、魚はまるごと焼いたり(日本人、フィリピン人)、蒸したり(広東人)する。皮を残しておくと魚の形が崩れないし、身の中の水分と脂分も抜けない ― そうすると魚の味が良くなる。それに沿岸魚はサバとかイワシみたいに小型の魚が多い。こういう魚はそのまま調理して食べてちょうど一人前の分量になる。



■回答者5(カナダ)
刺身の場合、日本人は皮にお湯をかけてそれから氷水に浸ける。これは見た目と味に大きな効果をもたらす。鯛は柔らかくなり、味も良くなる。さらに、これによって刺身の大皿はずっと彩りが良く美しくなる。コハダの場合、皮に装飾的な切れ目を入れ、身は薄切りにして、寿司をきわめて華麗かつ美味しそうに仕立てる。しかもコハダの皮と身の間にある薄い脂の層には、繊細な味わいのある油が含まれている。

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■回答者6(ベトナム)
君が言っているのは皮じゃなくて魚の鱗のことかな。

魚の鱗は、調理法と魚の種類によるが、はぎ取られる(上手い言葉が見つからない)。

魚の皮は、毒性がなければ切り取らないほうが良い。そうしたほうが調理中に身がばらばらになりにくいからだ。豚肉や牛肉に比べて、魚肉は熱にかけられると「もたない」。

皮を取った魚を調理するのは、サンクスギビングデーの七面鳥を皮を剥いで調理するようなものだ。



■回答者7
理由は味(ポーク・クラックリングにちょっと似ている)の他に、皮がついていると栄養も豊富だからだ。健康食品店に行くと決まってサプリメントとして売っているビタミンと油分の宝庫だ。これは日本に特有のことではなくて、他の人たちも言っているように多くのアジア諸国でも魚は皮がついた状態で出すし、地中海諸国やその他でもそうだ。

参考:
「ポーク・スクラッチング(Pork Scratching)、ポーク・クラックリング(Pork Crackling 、クラックリングはローストポークの上皮部分も指すので誤用に注意)[1]もしくはアメリカ英語でポーク・ラインズ(Pork Rinds)とは、豚の皮を油で揚げた食品である。」

Large_Pork_Scratching

ポーク・スクラッチング - Wikipedia



翻訳元:Quora



鮭の皮ロールは食べてみたいです。



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