海外Q&Aサイトの「各ジャンルのアニメを経験したいと思っている初心者のための『スターターキット』を教えて」という質問から、回答をご紹介。


■回答者1(ウルグアイ)
ジャンルごとの? 任せろ!

  • 『DEATH NOTE』
main-qimg-24b07544d761c4881801a72b54196a1f-c

古典的な「追いつ追われつ」型スリラー。理由もなく「アニメへの入り口」と呼ばれているわけではない。

探偵もののファンにとってはまさに慣れ親しんだ感じがするだろうが、しかし西洋の番組とは違った日本かぶれ要素も十分ある。

  • 『鋼の錬金術師』2003年版と『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』、この順番で。
main-qimg-3ffea68cd91f0a80aa168607dfd83f64

この回答の目的は各カテゴリーから1つの番組を出すことだが、一般に思われているのとは逆に、オリジナル版のハガレンは十分見る価値があると思うので、両方入れておこう。

『FULLMETAL ALCHEMIST』のほうはMyAnimeList(※日本のアニメや漫画を専門としたSNS)で最高評価のアニメで、少年バトルものアニメでこれ以上の選択肢はガチでちょっとない。

  • 『WORKING!!』
main-qimg-20d0a58d00feca170ca53d5494886786

『DEATH NOTE』がアニメへの入り口だとしたら、『WORKING!!』は日常ものというジャンルへ引きずり込む入り口だ。3期あるが、全部見るに値する。各期ごとに明らかに前より良くなっていくので、最高のやつを見るには多少引くことがあっても耐える必要がある。

  • 『機動戦士ガンダム』劇場版三部作
main-qimg-d09ccf8a5a9a1dd344187ffed7706162

『ガンダム』はSFスペースオペラアニメの代表作だ。それもダントツの。作品が残した遺産という点でも、クオリティの点でも、『スター・ウォーズ』に比肩すると言えるのではないかと思う。

オリジナルのTV版も見る価値はあるが、多くの人が最高傑作と考える『Ζガンダム』にたどり着くために、手っ取り早く劇場版を見ることを勧めたい。また他の宇宙世紀シリーズにハマるつもりがないとしても、オリジナルの最後は出発点として素晴らしいものなので、少なくともこの劇場版3部作は絶対に見る必要がある。

  • 『逆境無頼カイジ』
main-qimg-929346fd36c6e6caf99e367ed74d0c4b

これは大人向けの『遊☆戯☆王』で、ゲームものアニメの出発点としてこれに勝るものはない。そもそもこのジャンルには見る価値があるものがそれほど多くないことを考えると、なおさらそうだ。思いつくのは『遊☆戯☆王』のシリーズ0(※1998年版)、『ちはやふる』、『selector』、『ヴァンガード』。まあそんなとこだろう。

  • 『ハイキュー!!』
main-qimg-4aeaa2d420977aeb469076c589295d92-c

スポーツものアニメ。素晴らしいアニメーション(大部分)と緊張の一瞬があり、ご都合主義的な展開は一つもない。

  • 『Hellsing Ultimate』
main-qimg-a6c9f320e0a0c8c568df8cca5f6a139f

これはちょっと初心者向けではないかもしれないが、しかしこの番組は必見だ。ホラーに分類される番組としてはそれほど怖いものではないが、吸血鬼好きならこれか『吸血鬼ハンターD』のどちらかで、そして僕はこっちのほうが好きだ。

  • 『幽☆遊☆白書』
main-qimg-e5c254b3c5f50db28ecc1334845940db

少年ものから派生して、格闘ものというジャンルがある。たいていの人は即座に「ドラゴンボール!!!!!!!」と叫ぶだろうが、秘密を教えてあげよう。僕は『幽☆遊☆白書』のほうが好きなんだ。

『ドラゴンボール』は基本的に「強い敵にやられた、鍛えるぞ、よしやっつけた、オーノーもっと強い敵が現れた」と要約できる。ひたすらその繰り返しだ。『幽☆遊☆白書』ではそれよりも戦略性と微妙なニュアンスが豊富だが、戦闘力がきっちり表示されたりはしない。主人公たちは必ずしも最強ではなく、そのためバトルでは戦略を練る必要がある。

さらに、話が進むにつれて番組が『ドラゴンボール』のワナビーから『HUNTER×HUNTER』の先駆者へと次第に進化していく様子が見てとれる。これはかなりすごいと思った。

  • 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』
main-qimg-54ba3171c39314e0c7689c7823dd8c69

『マトリックス』のインスピレーション元。これも必見。

関連記事:
外国人「アニメを見てるとイケてない人になると思う?」→「気にすんな!!」

  • 『コードギアス 反逆のルルーシュ』
main-qimg-f6d2070e163379c3bdc39bc3879f0ab9

ここでちょっとズルをして、ガンダムはSF一般のジャンルで選んだのでメカアニメには分類しないことにする。これで『コードギアス』がここにねじ込める。メカが出てくる『DEATH NOTE』だと思えばいい。メカアニメに興味を持つにはこれに勝るものはない・・・

『エヴァンゲリオン』も素晴らしい番組ではあるが、アニメもよりマンガ版を読むことを強く勧めたい。

  • 『ワンパンマン』
main-qimg-e2d6b915e8544b7172a56d2c137a845b-c

コメディアニメについて考えるのはキツい。無いからじゃなくて、多すぎるからだ!

最終的に人気作で手を打つことにして、『モブサイコ100』のほうがずっと好きなんだけど、ただあのアニメーションの様式は初心者を遠ざけるかもしれない。なので『ワンパンマン』にする。

  • 『Re:ゼロから始める異世界生活』
main-qimg-13a86238ff29c1c1fc0dbd52a626fd4a

異世界ものは難しいジャンルだ。コメディに関しての問題は、良いコメディ番組が多すぎるということだったが、このジャンルには正反対の問題がある。素晴らしい異世界ものの番組はそう多くないんだ。『転生したらスライムだった件』と『盾の勇者の成り上がり』はどちらも優れた作品のようだが、結構最近の作品だ。

最終的に『ログ・ホライズン』、『このすば』、『リゼロ』あたりで手を打たなければならなかった。

『ログ・ホライズン』の続きが作られるは望みはないし、『このすば』はコメディ要素が強すぎるので、『リゼロ』にした。

関連記事:
外国人「日本の社会についてマンガやアニメから学んだことは?」

  • 『進撃の巨人』
main-qimg-c74b14f13f8d8a86d0bbe67b1e3a6876-c

この番組はお勧めどころではない。アニメ界の『ゲーム・オブ・スローンズ』だ・・・ネタバレが大量にあるから、調べるときには注意してほしい。

  • 『ヲタクに恋は難しい』
main-qimg-853cd338468a026c11714877d03de4cb

うん、恋愛ものの番組も見るんだ。しかしなんて番組だ。

一つのジャンルだけに属するアニメというものはない。この番組には恋愛、コメディ、そして日常ものの要素がある。『Working!!』もそうだったが、こっちは恋愛に非常にフォーカスしていて、キャラ同士の関係が物語を動かすポイントになっている。そしてそれが実に良くできていると言わざるをえない。

恋愛とオタクの関係を正確に表現した作品ではないが、とはいえ良い仕事をしている。

  • 『響け! ユーフォニアム』
main-qimg-4fde312d6200f06b695f227a87a96acc

最後に音楽ものアニメを挙げよう。このジャンルに興味があるなら、『響け! ユーフォニアム』は必見だ。最初はアニメーションの動きが良いのと楽器が見事に描かれているのに驚いたが、この番組はそれ以上のものだ。

音楽が特に好きじゃなくても、キャラ同士の触れ合いの進展という点でこの番組はお勧めしたい。傑出した日常系ドラマでもある。フィナーレが待ちきれないよ。


以上の番組の中から、自分に合ったものを見つけてほしい。



スポンサーリンク



■回答者2(イタリア)
手短かに言うと?

ファンタジー/アクション:『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』

スリラー:『DEATH NOTE』

SF/ホラー:『寄生獣』

日常:『ゆるキャン』

恋愛:『俺物語!!』

スポーツ:『メガロボクス』

私がここに選んだのは、大体が作品として自己完結していて(細かいことを言うと『ゆるキャン』と『俺物語!!』は連載中のマンガが原作だが、見ていてそう気づくことはないだろう)、とっつきやすいものを採るという基準に従っている ― つまり、慣れていないと理解できないアニメ特有の表現や、自己言及的なユーモアが多すぎないものだ。また様式上も、あまりにアートっぽかったり実験的だったりしないという意味で、西洋メディアに慣れた者ならごくとっつきやすいものにした。アートっぽいのや実験的なのが見たいなら、『妄想代理人』や『少女革命ウテナ』といった見逃せない逸品がある(みんなあえて触れようとしない問題作、『新世紀エヴァンゲリオン』は言うまでもない)。

まだ放映中の番組は続きに飢えることになる可能性があるが、それでもいいならスポーツもので最高は断然『ハイキュー!!』だろう。連載中のマンガを原作とした、見ごたえのあるバレーボールアニメだ。またコメディは、上記の基準をすべて満たす例が見つからなかったため、あえて省いた。『日常』は広く愛されている作品だが、しかしアニメのコメディというものは、特に最初慣れていないうちは当たり外れが激しい。たぶん一番良いのは、他のジャンルのアニメにたまに出てくるコメディの場面を通じてお近づきになっておいて、その後で核心に飛び込むことだろう。



■回答者3(アメリカ)
アニメ初心者向けのジャンルごとの最高のアニメとして、僕にとっては当然の選択というものがある。

コメディ ― 『からかい上手の高木さん』と『ヒナまつり』。どちらも、どんなレベルのアニメファンでも楽しめる、すごくしっかりしたアニメだ。選外佳作は『小林さんちのメイドラゴン』、万人向けではないので先の二つとは別枠。

少年もの ― 『食戟のソーマ』。ダントツで最高の少年アニメで、本当に見る価値のある唯一の作品だ。他に僕が良いと思った、そして多くの人も気に入っているのだと『僕のヒーローアカデミア』。スーパーヒーローものアニメで、良い感じの大風呂敷を広げている。

ミステリ ― 『デュラララ!!』と『残響のテロル』。どちらもアニメというものの本物のナマな狂った本質を示していて、手始めに見るのに最適だ。

スポーツ ― 『黒子のバスケ』と『ハイキュー!!』。どちらも超典型的なスポーツアニメなので、スポーツアニメでお決まりの展開をまだ知らなければ、この2作品を見てほしい。

高校生活もの ― 『とらドラ!』。アニメを見始めた初期にあえて見るべき唯一の高校もの。他のアニメの模範となるような素晴らしいキャラと物語。

萌え ― 『けいおん!』と『ご注文はうさぎですか?』。2作品とも、萌えというジャンルがやるべきことの最良の部分を示している。アニメを見始めたころでもその後でも、いつ見ても楽しめるので、早く見なくちゃというプレッシャーを感じる必要はない。

その他 ― アニメのお決まりの表現を知らないうちに本当に見るべきものとしては、他に『ハイスクールD×D』があるが、これは一つの特定のジャンルには収まらない。

映画 ― 『LUPIN THE ⅢRD 血煙の石川五ェ門』と『聲の形』。この二つの映画はおよそ正反対だが、どちらもすごく楽しめる。

以上が、アニメを見始めた初期に全員が見るべきだと思うアニメだ。『東京喰種』、『進撃の巨人』、『オーバーロード』、『ノラガミ』、『このすば』等の典型的な「名作」は絶対に避けたい。これらのアニメは高確率でアニメを見る気をなくさせるし、見始めた初期に良いアニメの例として挙げるべきものではない。



翻訳元:Quora



ハイキュー強いなあ。



関連記事:
外国人「西洋のアニメより日本のアニメに引き込まれる理由は?」
外国人「アニメって人気があるのに、なぜ1期で終わってしまう番組が多いの?」





「響け! ユーフォニアム」Blu-ray BOX



スポンサーリンク