海外Q&Aサイトの「日本人は靖国神社で戦犯を崇拝しているそうだけど、具体的にどんな儀式をしているの?」という質問から、回答をご紹介。


■回答者1(アメリカ)
靖国神社は神道の神殿で、英語で言うような意味で何かを「崇拝」(worship)しているわけではない。顕彰とか記念に近い。

この神社の目的は近代の戦争で死んだ日本の兵士を記念することだ。神道の考え方では、戦没者の魂が休む場所のようなものだ。この種の神社は、例えば古代のある特定の戦いで死んだ兵士のため等、もっと小さい規模で作られることもある。

今の日本人で、靖国神社に来て戦争で死んだ人のことを知ろうとする(または気にかける)人は多くない。いるとしても、直接の親族でなければ、戦犯のために祈る人はいないと思う。

ワシントンDCのベトナム戦争戦没者慰霊碑には「不名誉除隊(懲戒免職)」になった男も1人や2人含まれているかもしれないが、慰霊碑を訪れて敬意を表する時に数人の悪い奴が何をやらかしたかいちいち確認したりはしないだろう。

靖国神社には何度か行ったことがある。美しい場所だ。僕は礼をして拍手をして、賽銭箱にコインを投げてきた。



■回答者2
これは迷信だ。日本人は戦犯を崇拝していないし、したこともない。一度もない。そんな儀式も存在しない。実際、戦犯の名前は当時の宮司が秘密裏に合祀したもので、多くの日本人はこれに憤ったんだ。

大抵の日本人は、第2次大戦以前に亡くなった者も含めた親族を心に留めておくために靖国に行く。また海難事故や焼夷弾爆撃、戦地での疫病で亡くなった人々もだ。戦犯の名前の数は、ここに祀られている総数に対してごくわずかな割合だ。



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■回答者3(アメリカ)
最近分かってきたんだけど、神道の神社における「崇拝」(worship)の意味については根深い誤解がある。

靖国の「政争の具」としての側面は完全に無視することにして、ごく普通の人が靖国神社を訪れたらどんな経験をするかに的を絞ろう。

第一に、多くの人が靖国を訪れるのは正月だ。自分が靖国に行ったことがあるのも正月の間だけだ。

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神社を訪れて新年の願いをするのは伝統だ。では、なぜ靖国なのか?

理由は、靖国は比較的小さな神社で、大きな神社に比べると待ち時間がずっと短いからだ。例えば浅草の浅草寺では3時間待ちが普通だ。

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さて、浅草寺の人混みは避けて代わりに靖国に行ったとする。何があるか?大量の人?それはある。戦犯のリスト?それはない。戦犯の像?ない。戦犯の祭壇で礼拝する人たち?ない。

目にすることになるのは、列に並んだ大量の人だ。神社に近づくと賽銭箱がある(エリアを区切って賽銭を投げ入れるようにしていることもある)。コインを投げて、30秒ほどで礼をして願を掛ける。正月には健康や成功を願う人が多い。



翻訳元:Quora



どんな奇祭を想像していたんだろう・・・



靖国の闇にようこそ―靖国神社・遊就館非公式ガイドブック



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