海外Q&Aサイトの「中国は1000年ぐらい前に日本に文字を教えて、日本語(話し言葉も書き言葉も)は本質的に中国語が元になっている。なぜ中国は日本人に文字を教えたのだろう? あと、日本人はいつかこのことを理解すると思う?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(中国)
はっきりさせておこう:中国人は日本人に文字を教えてはいない。日本人が、中国の古典を研究し味わいたいと思ったから、中国の文字を学んだんだ。

最初に中国に旅をした日本人たちの関心は中国の古典、特に『論語』だった。これらの古典は紀元700年頃に日本に持ち込まれ、そこに含まれる知識と知恵の多くは古代中国語で研究された。『論語』は人類の最高傑作の一つとして日本人に賞賛され、8世紀から16世紀までの約800年間、日本人の学習の基礎になった。今日でも日本人は学校で『論語』を学ぶ。

日本人が中国に旅をするもう1つ重要な理由は、仏教を学ぶことだった。初期の仏教の経典は、パーリ語の原典から中国語に訳されたもので、日本では15世紀頃まで中国語で研究されていた。

これが意味するのは、日本における古代中国語の研究は少数の有力な家系と寺院に限定されていたということだ。ほとんど全ての研究は中国古典と仏教に捧げられた。それが次第に、唐・宋代の漢詩の研究を含むようになった。

日本人は次第に中国語に仮名文字で注記することを始めた。こうしてひらがなとカタカナが生まれた。

「中国が日本に文字を教えた」なんて言わないでくれ。これはさもしい一般化で、日本人に対しても中国人に対しても極めて侮辱的だ。君は学校でそう習ったのかもしれないが、日本に対する極めて国粋的・排外的なアプローチで、現代人なら拒絶して然るべきものだ。



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■回答者2
これはどうかな:「ローマは1000年前に英国に文字を教えて、英語(話し言葉も書き言葉も)は本質的にラテン語が元になっている」。意味ある?

英語は確かにローマンアルファベットを使っているし、ラテン語からの借用語も沢山あるけど、「本質的にラテン語が元になっている」ということはない。

日本語も「本質的に中国語が元になっている」わけではない。両者は別の語族に属している。

とはいえ、日本人は約2000年前に中国文化の影響に曝されるようになった。日本の人々は果たしてこの大国と交流してそこから学ぶことに関心を持ち、中国語の読み書きを習得した。中国語は政府の公式言語になった。教養人は中国語の詩や散文を読むことができ、書くこともできた。

今の日本語には中国語からの借用語が沢山あるけど、それでも中国語は日本の言語に取って代わることはなかった。日本人は自分の言語で書くために、初めは中国語の文字の発音を使って日本語の音を書くことにした。例えば「あ」と「し」と発音する2文字で「あし」(足)と読める。

やがて、音を表すために使っていた文字は簡略化されて今日の音節文字(ひらがなとカタカナ)になり、これは現代日本語を書くのに中国の文字と組み合わせて使われている。



■回答者3
いつかはそうなる。

当時の中国は大国だった。他の全ての国は中国を畏怖し、中国のようになりたがった。

君が作れば、人は君の真似をする。

スコット・フィッツジェラルドいわく、「文化は金(成功)の後を追う」。

君の国が究極的な成功を納めれば、他の国は喜んで君の後に従い君を模倣するだろう。

当時の中国がやっていたのはソフトな帝国主義で、アドバイザーや教師を地域の未開な民族のところに送って、中国と交易をするように支援し奨励していたんだ。



翻訳元:Quora



中国側にもメリットがあることだったんですかね。


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