海外Q&Aサイトの「アメリカ人は日本に落とした原爆で女性と子供も沢山殺されたことを悲しく思うことはあるの?」という質問から、回答をご紹介。


e67ca3c193ccce48edeb3e09d65165be_s (320x216)

■回答者(アメリカ)
もちろん。ただし、私たちは街から避難するように予め警告していた。通常こうした警告は、日本人が私たちの撒いたビラを拾った者は罰するという方針だったこともあって無視された。

この質問の背後にある決めつけは、無神経で侮辱的なものだと思う。私たちはこのならず者国家、日本と呼ばれる残忍で野蛮で未開な怪物を、その狂信的でサディスティックな軍隊ともども檻に押し込めるために、貴重な財産を浪費し、10万人を超える市民の命を犠牲にし、国内では数知れない家庭が崩壊した。彼らの異常な行動は、1,000万以上の罪のない民間人の死という、ナチスドイツのみが比肩しうる規模の惨事を招いた。日本が平和的な隣国を宣戦布告もなしに強引に侵略し、その過程で殺人と強姦を繰り返し、そうして私たちはこの不正で不必要な、自分が始めたわけでも望んだわけでもない戦争を終わらせるため最終的に2つの原爆を投下したのに、それを非難されるのか?

この手の質問は私たちが間違ったことをしたという誤った仮定の上に成り立っていると思うので、回答したい。ただこの手の質問は沢山あって、私も毎回一から始めたくはないので、自分の見解を述べた定型文を用意してある。回答の中にはこの質問に完全には合わないものもあるかも知れないが、全部読んでくれれば回答にはなるだろう。

当時有効だったハーグ条約の下で、戦略的爆撃は戦争犯罪ではなかった。軍事的占領下での非戦闘員の大量殺戮は、戦争犯罪と定義されていた。

第2次大戦の戦闘員は皆、ハーグ条約の更新で1922年12月と1923年2月の戦略的爆撃を禁止することを検討していたが、しかしこの対策案はどの国も承認しなかった。1932年のジュネーブ軍縮会議では航空機による爆撃を禁じる提案が検討されたが、承認はされなかった。

非戦闘員の中心地への大量爆撃を戦争犯罪と考えることはできるが(現在では、1977年に採択されたジュネーブ条約の議定書Iによりそのようになっている)、第2次大戦前・中には、戦略的爆撃を禁止するいかなる国際合意もなかった。

一方で、戦争中の被占領国の扱いや戦争捕虜の扱いに関しては十分な国際法が存在した。ドイツはこうした国際条約の調印国であり、多くの条項について言語道断の違反をした。

これは「勝てば官軍」、あるいは連合国の偽善ではない。

重要な事実として、第2次大戦中の戦略的爆撃を審理した国際軍事裁判では、ドイツおよび日本のいかなる被告も起訴されていない。

原爆投下と従来型の戦略的爆撃を区別するのは、倫理的に問題がある。

1度の爆撃で最大の死者を出したのは広島でも長崎でもなく、オペレーション・ミーティングハウス、つまり東京大空襲だった。少なくとも10万人、多ければ30万人が殺されたが、これは広島と長崎のどちらよりも多く、それらを合わせた数よりも多いかも知れない。電離放射線と榴弾と焼夷弾のどれで殺したかを区別することには、私は疑問を感じる。どれかは倫理的に許せるが他は許せないのか? 殺害の規模の問題なのか?

長崎と広島は戦術的理由により爆撃された。

日本人は軍需品の生産を街じゅうに散らばった家内工業に請け負わせていたから、生産に打撃を与えるには市街地を絨毯爆撃するしかなかった。

都市が爆撃されるのは戦術的目的のためだ。コミュニケーションの破壊、路線の壊滅、弾薬工場の粉砕、工場の倒壊、これらは全て軍隊の妨害を目的とする。こうした作戦において非戦闘員が殺されてしまうことは避けられない。これは事故であり、確かに重大な事故だが、戦闘行為の不可避的な結果だ。非戦闘員は個別の扱いを受けない。鉄道駅構内を狙った爆弾が投下されて、沿道の家屋に当たってそこの住人が殺される。しかしこれは、同じ線路上を軍隊が行軍して隣接する同じ家に押し入って、男女子供を引きずり出して撃つのとは、事実上も法律上も全く異なる。

小銃で非戦闘員を撃つのと原爆で殺すのに倫理的な違いはないということについては、裁判でも議論された。原爆の発明が人類に大きな関心事と不安をもたらしたことに疑いはないが、しかし原爆は、実際に使用された時も、非戦闘員を標的として使われたわけではない。戦争中に使われた他の全ての航空爆弾と同様、軍隊の抵抗に打ち勝つために投下されたのだ。

従って、空爆のような重大な軍事行動は、従来型爆弾であろうと原爆であろうと、爆撃の唯一の目的はそれを受けた国家を降伏させることである。その国民は代表者を通じて降伏することができ、降伏すれば爆撃は止み殺害も終わる。さらに、無防備都市宣言をした都市は遵法精神のある交戦国からは爆撃を受けないことが保証される。

日本人は9月22日にサンディエゴに対する生物兵器攻撃を開始する計画を立てていた。この計画は侵攻から本土を守る戦艦を温存するために直前になって取り下げられた。Operation Cherry Blossoms at Night - Wikipedia

私たちは広島・長崎を含む日本の各都市の市民に爆撃前に警告し、避難を促した。

さらに、私たちは爆撃の可能性について日本の非戦闘員に警告し避難を促すという方針に沿って、長崎には原爆投下の可能性を知らせるビラを投下した。日本の軍人はこのビラを読んだ非戦闘員を処罰していた。

(※以下、ビラの文面の翻訳は省略。)

参考:
米軍機から投下されたビラ|長崎原爆資料館収蔵品検索


翻訳元:Quora



自分の正義を主張する時のアメリカ人の気迫には圧倒されます。



戦争と正義―エノラ・ゲイ展論争から (朝日選書)



スポンサーリンク