海外Q&Aサイトの「日本語には2人称が色々あるけど、どう使い分けてる?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(アメリカ)
英語にはI、you、he、she、it、him、herが散りばめられているが、これは文法に融通がきかないので主語が必須で、また多くの動詞では目的語も必須だからだ。日本語の文法はずっと融通がきいて、文脈で理解できるなら主語や目的語は省くことが多い。したがって、どの「you」を使うべきかという質問は、特別な正確性が要求される場合だけに限られる。

そこで、どんな場合があるか考えてみよう。普通は「you」のような代名詞を使う代わりに、人の名前を使うことができる。もし名字が田中なら、「さん」を付けて「田中さん」で「you」の意味になる。

特殊な場合には代名詞を使う。奥さんが旦那さんを「あなた」と呼ぶことがある。初心者には「you」の意味だと言って教えられることが多い言葉だが、使っても大丈夫だと分かっている場面以外では使わないように注意が必要だ。

仲の良い若い人同士だと互いに「君」と呼ぶこともあるが、それほど耳にする事はないだろう。「あなた」よりくだけた言い方だ。

「お前」も耳にする事があるが、相手を見下している感じになるので大抵は使われない。夫が妻や子供、飼い犬に対して使うことがある。酔っ払いも、飲み仲間に対して使うことがある。

名前を「さん」を付けずに使える場合もある。カップルはお互いのことを「さん」を付けない名前で呼び合う。ふんぞり返ったボスが、部下を「さん」なしの名字で呼ぶこともある。普通はやらない方がいい。

店やレストランでは、客は「お客様」と呼ばれる。客の名前が分かっている場合、名字+「様」で呼ばれる。(書き言葉では、名前+「様」はごく一般的だ。)



■回答者2
代名詞を使ってはいけない時の例を教えよう。

昔々、20代前半の頃、屋台か何かで隣にいた女性をナンパしようとした。私は親密な雰囲気を作り出せればと思って、彼女のことを「お前」と呼んだ。彼女はびっくりして私を見ると、「そんなふうに呼ばれたのは初めてよ!」と言って怒って出て行った。

こうして私は、まず親密な雰囲気が先、適切な代名詞はその後だと学んだ。

とは言っても・・・君は他人がどう取るかを判断しなくてはならない。私は日本人女性と結婚して22年になるが、妻を「お前」と呼んだことは一度もない。名前を縮めたのに「ちゃん」を付けたのを使っている。彼女も同じで、私のことを「マーちゃん」と呼ぶ(マーはマーシャルを縮めたもの)。「あなた」と呼んだことはないと思う。これは今どきの日本の現実というよりもTVドラマから出てきたみたいに聞こえるんだそうだ。(私は妻に「ね、あなた」と呼ばせることを夢想していた。これには、もし君が1950~60年代のTV番組を覚えてるなら「ビーバーちゃん」にでもありそうな、ステレオタイプ的に伝統的な響きがあるからだ。「ビーバーちゃん」は日本では「幸せな少年とその家族」(?)として放映された。)

参考:
Vol. 2 『ビーバーちゃん』ってどんな番組?| 海外ドラマ&セレブニュース TVグルーヴ

しかし、もっと伝統的な日本の夫が妻に対して悪気なしに「お前」を使っているのを聞いたことがある。彼はまた、子どもたちや犬も「お前」と呼ぶ。大体想像がつくだろう。しかし私の妻によると、これはお互いの関係によりけりだそうで、「お前」も情愛のこもった呼び方になることがあるわけだ。

ところで、今までの議論に出てこなかったのがある:「てまえ」(通常はヤクザスタイルで「てめえ」と不明瞭に発音される)。私が人生で一度だけ耳にしたのは、数人の男が柔道の稽古に遅れてきた時だ。これを使った人物は、言いながら同時に相手の耳をねじりあげていた。反撃も辞さないという場合以外、これは使わないことだ。



翻訳元:Quora



「彼」「彼女」も恋人の意味で使われることの方が多いですね。


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