海外Q&Aサイトの「なんで『たべる』じゃなくて『食べる』って書くの? 文字数が同じなら、ひらがなの代わりに複雑な漢字を使うことに何の利点があるの?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(アメリカ)
複数の理由がある。漢字の使用には豊かな歴史があるから、漢字を使っている国の文化と芸術に深く埋め込まれている。たとえ実用的には効用がないとしても、それだけで長い間漢字が使われ続ける理由になる。

利点の例としては、以下の文を見てほしい:

かれははがいたいといってはいしゃさんにいってきた。

漢字が与える手がかりなしでは、ちょっと読み取りにくい。「ははが」とあるが、これは何通りにも読める。最初の「は」は助詞か? 「は」で始まる名詞か? 「いって」という動詞は何か? (この文には2回出てくる)。最初の「いって」の後の「は」は、やっぱり助詞なのか? (実は違う)。英語と違って日本語には単語の間にスペースがない。漢字を導入することでこの曖昧さがなくなり、文は明確になり読みやすくなる。

彼は歯が痛いと言って歯医者さんに行ってきた。

あと、「文字数が同じなら」と言ってたね。
僕の上げた例だと、かなバージョンの方が長くなっているのが分かるだろう。これは幾つかの漢字が複数のかなで構成されるためだ。なので、もう1つ利点がある ― 漢字を使った方が文は短い。(圧勝ってほどじゃないにしてもね。)



■回答者2
Whydontwewriteenglishlikethiseventhoughtherearelesscharactersifwedoso?
(※こうすれば文字数が少なくなるのに、なんで僕たちは英語をこんなふうに書かないの?)

漢字なしの日本語はこんなふうに見えるからだ。文字数の問題ではない。文字の複雑さの問題でもない。書かれたものを素早く理解する人間の能力の問題だ。これが彼らが漢字を使う理由。



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■回答者3
その方が読みやすいからよ。漢字は文章を短くするためにあるんじゃなくて、ラテンアルファベットやひらがな・カタカナのような音節文字では不可能なやり方で意味を表すためにあるの。

漢字は(あなたが知っているという前提で書くけど)即座に認識できるけど、漢字に添えられる仮名は(例えば助詞や活用語)、”滅多に”(もちろん何らかの意味はあるにしても)文脈を示すものではない。

ある意味、漢字を使うと読む前に文章の要旨を”見る”ことができるの。発音の似た単語でも意味を取り違えにくくなるし、知らない漢字でさえ、部首を見れば大体の意味は推測できる。

一体なぜ、外国人が日本語を読めるようになるのをほんのちょっと簡単にするためだけに、日本人がこんな利点を手放そうと思うかしら?



■回答者4(イギリス)
私は漢字を学んでみて、ひらがなを読むより遥かに読みやすいと思っている。その理由の一部は単語の間にスペースを入れないという日本語の厄介な癖だが、より重要なのは、絵文字の方が素早く把握するのが実際容易だということだ。

もちろん漢字には非常に不利な点もある ― 日本人にとってすら、学ぶのに何年もかかる。しかし私が初めて目にした時に思ったよりは、ずっと効率的なものだ。

しかも美しくて、繊細で、無限の魅力がある。



翻訳元:Quora



図像として認識できるメリットは大きいと思います。



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