海外Q&Aサイトの「日本を訪れての印象はどうだった?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(ドイツ、日本在住)
私は経済的に安定したヨーロッパの国から来て、日本の平均的な生活水準は上ではないにしても同じようなものだろうと思っていた。日本はいつも、自然に対する深い敬意と日用品のデザインに見られる高い美的感覚を備えた、現代的なハイテクの社会として描かれていたからだ。

それで私は日本へ行った。初めは観光客として。ああ、現実を目の当たりにしたね。

日本に初めて行った時、私は関西空港まで飛んで、新大阪駅に行くため電車に乗った。電車は海上の人工島に建てられた現代的な関西空港を出発した。1時間もかからない短い旅だ。

電車が本土にかかる橋を渡り、大阪郊外の住宅街の中を走り出して間もなく、私ははっとするような認識の訪れを感じた。電車の外の景色は、私が思っていたものではなかったからだ。全く違っていた。それは醜い荒れ放題のコンクリートの構造物から成る混沌とした地獄じみた光景で、最良の日々が過ぎ去って数十年といった粗末な住宅が点在していた。段ボールかトタン板で穴を覆うのが、これらの家の修理方法のようだった。窓はもう何年も掃除されたことがないように見えた。自分の(小さな)庭を維持する人はいないらしい ― ゴミ捨て場として使われていて、かつての消費主義の面影を残すゴミが散乱していた。全体に絶望とその場しのぎというこの外観に加えて、電線がうねうねと枝分かれして家の間を走っていた。

新しいものも、美しいものも何一つなかった。ただただ汚い、陰気な、醜い混沌。初めに思ったのが「待てよ、間違ってどこかアジアの第三世界の国に来てしまったのか? これが裕福なハイテクの国・日本なわけがない?!」だったことを覚えている。

しかし、航空券には「関西空港」とあった。私は日本にいるのだ。「これは多分、単に非常に貧しいスラム街みたいな郊外で、平均的な日本の都市の景観の代表じゃあないんだろう」。私は自分を落ち着かせようとした。やがてそれが間違いだと分かった。これこそが大抵の日本人の生活だったのだ。大阪に着いてホテルに行った時は、想像していた日本にずっと近いようなのでちょっと安心した。依然混沌として醜すぎるコンクリートの塊だが、少なくともトタン板と段ボールはない。その後日本の大部分を旅して回った後で私は理解したのだが、大阪の郊外を通った時の初めての印象が実際の日本で、大阪と東京の素敵な中心街はセンスよりも金がある時に作った見せかけに過ぎないのだった。高度経済成長は、平均的な日本人にまで金が滴り落ちるよりも早く立ち消えになったのだ。日本が高度経済成長期に稼いだあの金は一体どこへ消えたのか?

10日後に帰国する時、私はスイスエアを使いチューリッヒで途中降機した。空港を歩いていた時の感じを私は一生忘れないだろう。全てが実に素敵で、清潔で、整然として、よくデザインされていた。くすんだベージュ色のプラスチック板の代わりに、壁は鉄骨にガラス製だった。照明のコンセプトは人間の必要に応えるようにデザインされていた ― ありったけの電気を一ヶ所に詰め込んで出来るだけ明るくするのではなく。人々は微笑み、おしゃべりをし、寛いだ様子だった。私は再び第一世界に着いたのだ。そして第一世界と第三世界の違いは、富とテクノロジーだけではないということを理解した。



■回答者2(台湾)
ちょうど初めての日本から戻ったところだ。今回は東京だけに滞在したけど、今後は他の地域も訪れたいね! そういうわけなので、僕のリストは当然東京だけに関するものになる。

  • 空気の質は驚くほど綺麗だ。東京は人口何千万という都市だが、今まで行ったことのある1千万規模の都市の中で空気の質は間違いなく最高だと思う。4月の初めの週に行って、1週間ずっと晴れだった。それでも空気の質は低下しなかった。ロサンジェルスでも台北でも、あるいは(特に)北京でも、雨の後で晴れの日が2、3日も続くと空気の質は悪くなりだす。
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快晴好天の明治神宮

  • 道は驚くほど車が少ない。だから空気があんなに綺麗なのかな? 何にせよ、タクシーを使う必要はない(本当に遠く離れたとこに行くんじゃなければ)。主要な観光スポットには全て電車で行ける。
  • 中国人観光客がものすごく多い・・・実際、どの外国語よりも中国語が話されているのを一番よく聞いた。僕は誰が中国人で誰が台湾人かすぐ分かるけどね・・・
  • 東京の路地にこもって暮らすことも出来る。外をうろつく必要はない。必要なものは何でもある ― セブンイレブン、銀行、学校、病院、ホテル、自販機等々。実際、これはすごく台北を思い出させる・・・台北の路地の文化は日本から輸入されたんだと思う。
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東京にはこの写真のような路地や歩道が沢山ある。台北も似ている。実際僕の両親は、若い頃の台北は東京にそっくりだったと言う。今でも似てはいるが、数十年が経ち政府が古くなった町並みを取り壊して新しく立て直したので、今では日本のようには見えない。

  • とは言え、台湾のと似ているのは町並みだけではない。自然の風景も似ているんだ。日本も台湾も亜熱帯地方の火山島だ。上野公園の丘に登った時、この丘全体が陽明山(台北の北にある山)の家の近くにある丘と余りにそっくりで皆で驚いた。全てが、木々から丘の形、そして石段の配置の仕方までが全く同じなんだ。実際、もし誰かがここは陽明山だと言ったら騙されちゃうねって冗談を言い合ったよ。(これほど陽明山を思い出させた上野公園の丘は、写真を撮るのを忘れた。すまん)
  • カスタマーサービスの人たちは英語が驚くほど上手い。日本に行ったことがある知り合いの文字通り全員から、日本には英語を話せる人がいないと警告されていた。僕は日本語はほんの初歩は話すことができて、たまにそれがちょっと役に立つことはあったけど、しかし大抵はそれも不要だった。有名な観光地の従業員はほぼ全員が、少なくとも仕事をするのに十分なだけの英語を知っている(会話を始めるには十分ではないかも知れないが)。問題があったのはレストラン(時々・・・英語を知らないウェイターはまだいた)と、高島屋みたいなモールで買い物をした時だけだ。それでも皆とても忍耐強く僕たちを助けてくれた。日本人ほど自分の仕事を愛している人たちは見たことがない(普通、カスタマーサービスの仕事は誰もがやりたがらない仕事の一つだ)。何にせよ、結論として、ティフアナ(とかロサリト、エンセナーダ、フアレスとか、アメリカとの国境近くの都市)で英語を話すメキシコ人を見つけるよりは、東京で英語を話す人の方がずっと見つけやすいと思う。

もっと沢山あるけど、全体として、この旅行は本当に楽しかった。ぜひともまた日本に行きたいよ。



翻訳元:Quora



ほんと人それぞれだなと思います。




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