海外Q&Aサイトの「日本はほぼ単一人種だけど、アメリカがレイシズムについて四六時中討論しているのをどう思ってるの?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(アメリカ)
全ての日本人を代弁して語るつもりはない。単に自分が見たことを報告しよう。

オレゴン大学で日本人留学生の友人がいた。彼は人種と差別に関するクラスを受講していた。その時彼が「日本ではこんなことはないよ」と言ったんだ。

そこで僕は聞いた。「もし君の息子がゲイだったらどう思う? あるいは、もし君が中国人と結婚したらご両親はどう思う?」

彼はちょっと困惑した顔をして、それから言った。「ああ、そういうことか」

中国人が、中国にはレイシズムがないと言うのも聞いたことがある。でも、他の中国人の学生になぜオレゴンに来ることにしたのか聞くと、彼女は「ここは黒人が少ないからよ」と言った。

インド人の別の友人は、シンガポールにはカーストに基づく差別は一切ないと請け合っていた。ところが僕が会ったことのある海外にいる人はほとんどがバラモン階級の出身だ(この件についてはよく分からない。ただ妙だなとは思う)。

世界中の多くの人はレイシズムについて考える必要がなくて、だから周囲に漂っている既成概念があることに気付かないんだと思う。とはいえ日本の大半の人はレイシストではないし、自分の隣人や友人、配偶者がなに人かそれほど気にはしないだろうと言いたい。



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■回答者2(アメリカ)
日本人は一般に自分たちのことを「人種」とは考えない。最も一般的な単語は恐らく「民族」で、これはドイツ語のVolkに相当する。

差別という概念は、デザキ(他の回答で言及されている)みたいな独善的なアメリカ人がやって来るよりもずっと前から日本ではよく知られていた。ただ日本での差別は、何よりもまず国籍に関するものであり、またいわゆる部落民の問題だった。

特に西日本では「同和教育」という反差別教育がずっと学校のカリキュラムの一部になっている。

その上で、日本人は全体として米国の人種問題にはほぼ注意を払っていないと思う。ただ、第2次大戦中に米国の太平洋岸で日本人と日系アメリカ人が強制収容された件のように、日本人に直接影響のある場合は別だ。これは今でも注目を集めている。

一部のアメリカ人、そして帰化日本人の中の少なくとも1人(有道出人)は、日本での「レイシズム」なるものを強調したがって、日本における「埋め込まれたレイシズム」について書いてさえいる。そうやって強調するのは、むしろ彼ら自身のレイシズムを表しているだけだ。

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もし日本に「レイシズム」があるとしたら、それは白人、特に白人男性に対する扱いが寛大すぎる傾向があるということだ。

米国でのレイシズムに関するパターンを列挙して、それを日本で探してみれば、日本では見つからないか、極度に弱まったレベルで見つかるだけだろう。

日本人は多くのヨーロッパ人と同じく米国でのレイシズムに関する議論を知っていると思うが、日本人は人種よりも文化的に自己を定義しているので、それほど直感的な反応は示さない。

どれほど違うかを示すために、米国で通常アファーマティブ・アクションと呼ばれているものを例に取ろう。米国では一般に、アファーマティブ・アクションは「人種」と民族性に関する言葉だ。英国では、これはまず社会的階級の点で表わされる。



翻訳元:Quora



ゲイとか部落差別の問題もレイシズムという言葉で括るから色々誤解が生じている気はします。




創られた「人種」 部落差別と人種主義(レイシズム)



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