海外Q&Aサイトの「最近話した日本人が神道を知らなかった。本当に驚いた。神道を知らない日本人なんているの?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(オーストラリア)
あり得る。神道は、仏教に(ある意味)取って代わられた古い民間信仰のシステムだ。

キリスト教やイスラムのような巨大な一神教が土地の民間信仰に取って代わるという、こういう事は世界中で起こった。

良い例はハロウィンだ。オーストラリア人の多くはブリテン諸島から来た人々の子孫で、ブリテンの人々は歴史上のある時期にはハロウィンをケルトのサウィン祭として祝っていた。

参考:
「サウィン[1][2](英: Samhain、スコットランド・ゲール語: Samhuinn, Samhainn) はケルト暦で1年の始まり、すなわち夏の終わりと冬の始まりにあたる10月31日の前夜祭と[2]と11月1日の祝祭[3][2][6](ケルト人は1年を夏=光と冬=闇に二分する[2][7]。
ハロウィンの原型の一つと考えられており[8]、ハロウィンはサウィンの前夜に当たる[4]。」
サウィン祭 - Wikipedia

しかしハロウィンは、ここオーストラリアでは米国のようには流行らなかった ― かつてはごく一部のオーストラリア人、特にスコットランド系のコミュニティがそれを祝っていた。しかし大部分の人は全く興味もないし、恐らく知りもしないだろう。それどころか「異教」とか「ドルイド」と聞いても ― 必ずしも答えが返ってくるとは思えない。

だから神道について全く知らない人がいるのもこれと似たことで、「去る者は日々に疎し」の一例だろう。こうした民間の伝統は、目に入らなくなると人は考えることも学ぶこともやめてしまうんだ。

追記:日本在住の回答者が、神道は仏教の習わしに組み込まれていて、だからよく仏教の寺院の中に神道の神社があるのだと指摘してくれた。神道が「去る者は日々に疎し」だと言ったのは撤回しなくてはならない。



■回答者2(イギリス)
高校生の時、交換留学でドイツに行った。日曜に教会に行った。ホームステイ先のお父さんが、君はカトリックかと聞いた。僕は、いいえ、キリスト教徒ですと答えた。その時のことを思い出して「うわあああ・・・」ってなったのは、世の中のことを色々と学んだ後になってからだった。

つまり、「カトリック」って言葉は知ってたんだ。「プロテスタント」って言葉も多分知っていた。TVか何かで。多分『ブラックアダー』(※BBCで放映されたコメディ番組)で。分からないが。でもその言葉の意味を本当には知らなかったんだ。宗教学の授業でキリストについても教わっていた。それで神と「キリスト教徒」という言葉について漠然とした考えは持っていた。

日本人についても同じだ。神道と仏教の両方で、今日まで続く沢山の宗教的伝統があるが、多くの人は関心を払わない。日本人はそれほど信心深くはないが、しかし幾分スピリチュアルで、非常に伝統的だ。

また「神道」という言葉は全然一般的ではない。この点は他の宗教と異なる。文字通りには「神々の道」という意味だ。他の宗教は全て、「教え」という意味の「教」が名前に入っている。そして、神道は日本の歴史と文化の根幹の一部ではあるけれど、言葉としては使われていないんだ。「エキュメニカル」に近いかも知れない。つまり、実際にその言葉を使う理由がある人にしか知られていないということだ。

参考:
「エキュメニズム(英: Ecumenism)とは、キリスト教の教派を超えた結束を目指す主義、キリスト教の教会一致促進運動のことである[1]。世界教会主義(せかいきょうかいしゅぎ)ともいう。」
エキュメニズム - Wikipedia



■回答者3
日本で暮らしたことのある日本人が、神道のことを知らないというのはあり得ない。神社はどこにだってある。国中のどこでも、1時間歩いて神社に遭遇しないとは考えにくい。仏教の寺院ですらよく隅に神社を抱え込んでいるし、神社にもよく仏教コーナーがある。

これは誤解か、あるいは君が会った相手が単に宗教について話したくなかったか、そんなところじゃないかと思う。神社は(大きいのも小さいのも)そこらじゅうにあるが、多くの人は詳細については知らない。日本の文化に強い関心を抱いている外国人が、普通の日本人よりも日本の宗教について詳しく知っているということはよくある(とは言えその宗教を「生きる」ことについては、外国人より日本人の方が遥かによく知っている ― ただ明確化するのが難しいのだ)。このため、日本人は宗教について議論するのに気後れするのかも知れない。また日本人はよく、外国では気まずい状況に陥らないように宗教についての議論には用心するように言われている。



■回答者4(アメリカ)
他の人も言っているけど、発音に問題があったんじゃないか。これは非常によく起こる問題だ。ひらがなとカタカナにはそれぞれ52の「音ベース」の文字があるが、これは音を表現するには非常に少ない文字数だ。

例えば"it"の"i"は日本語にはない ― だから日本人は僕のファーストネーム(※Lynn)を上手く発音できない。それで僕の名前は、決まって長い"ee"の音を使って呼ばれることになる。普通、人は余り馴染みのない言語には「耳が訓練されて」いないんだ。

ただ、神道が理解しにくいものだということは認める。実態として、それは近代的な宗教のパラダイムを幾らか取り込んだ土着信仰のエコシステムだ。仏教、イスラム、キリスト教という「ビッグ3」と比べてみれば、神道が今ひとつ「しっくり来ない」ことが分かるだろう。



■回答者5(匿名)
神道という言葉を聞いたことのない日本人は存在する。大抵は、そういう言葉を知ろうと思ったこともないような、不信仰な無神論者だ。

以下は日本のニートの人とのチャットの抜粋。

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「神道」という言葉を出したら、返事は「難しい言葉知ってるね」。

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続いて「日本人だけど初めて知った言葉」、「外国人に日本語を教えられている笑」

自分の目が信じられなくてもう一度確認しようと思った。

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この人は無宗教の人だ。

とは言え、「神道」は学校で習うレベルの言葉じゃないかと思う。

何にせよ、神道という言葉を知らない人は、このサイトにだっている。だからもう驚くようなことじゃない。



翻訳元:Quora



いるんだ・・・



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