海外Q&Aサイトの「アニメは西洋を破壊するための日本の発明なの?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1
この質問には日付がついていないので、1940年代初頭のものと推測する。第2次大戦後の日本は本質的に、地理的にではなくとも文化的・政治的には「西洋」の一部になっているからだ。また世界恐慌の前、日本が独裁体制の手中へと短期間のうちに悲惨な転落をして行く前もそうだった。日本は大英帝国の極めて親しい同盟国で、西洋諸国と比較的良い関係にあった。

われわれが「西洋」と言う時に実際に意味しているのは、近代主義的で啓蒙された、社会的には民主主義の一群の国のことだ(そう、米国ですらまだ幾分か、社会的には民主主義だ ― ソマリアにはなっていない)。

それどころか、日本は西洋のあらゆる近代的要素を意識的に取り入れ、国のあり方を根底から見直した、前近代の影響によって妨げられることの事実上ない(強度に宗教的な、つまり前近代的なロビー活動や、最近ではポストモダン的なロビー活動と未だに格闘しなければならない米国とは異なる)、典型的な近代主義国家だ。実際、私は日本と日本の文化が、西洋よりも純粋で若干は進歩もした近代主義の形式を表現していると主張したい。

また現代の日本の物語が(従ってその文化の多くが)、戦後マクドナルドから野球、ディズニーに至る全てとともに日本に溢れ返ったアメリカの小説と映画に強く影響されていることも注目に値する。幾つかの点で日本は今のアメリカ以上にアメリカ的で、それ以外の現代文化の多くは外国から受け入れたか、あるいは翻案したものだ。

従ってアニメを含む日本の文化のある側面は、もしそうした性質を多少なりと含んでいるとするなら、むしろ西洋を救い、生き返らせる可能性のある発明だ。

21世紀にようこそ。西洋には内部と外部の両方に敵がいる。そして日本はそのいずれでもない。



■回答者2(台湾)
ポケモンを覚えてる人いる?

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このシリーズが始まったのは1990年代だ。当時、世界は日本の興隆を不可避なものとして受け入れていた。'70~'80年代を通して、日本人はアメリカ人を自動車、カメラ、ロボット等の分野で打ち負かした。考えられる全てのことで、日本人は遂にアメリカ人よりも上手くやった。実際、僕の父が言うには、1980年代には台湾の全てのエレクトロニクス企業は東京の秋葉原に調査員を送っていたそうだ。いや、アニメのためじゃあない。秋葉原には当時、文字通り全世界で最高の、最新の、そして最も進んだエレクトロニクスがあったからだ。

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2018年の秋葉原。秋葉原がもはや世界最高・最新のエレクトロニクスの街でないどころか、アニメオタクが現実で彼女を見つけられないからエロマンガを読みに来るための場所になってしまったと知った時の父の落胆を想像してほしい・・・あんながっかりした顔は、言葉では言い表せない。

ともあれ、お題に戻ろう。日本が唯一、メインストリームのアメリカ社会に切り込めなかったものがある・・・エンターテイメントだ。日本人がいかに努力しても、世界中の人々は日本のアニメよりハリウッド映画のほうが好きだった。「はは!」当時のアメリカ人は言ったものだった。「チェックメイトだ、日本! お前は自動車、カメラ、ロボットを乗っ取ったかも知れない。しかしわれわれのエンターテイメント産業は決して乗っ取れんぞ!」

すると日本はポケモンを考え出した・・・嵐のようにアメリカを乗っ取ることになる、数十億ドルのシリーズ作品だ。そのアニメは全ての子供が土曜の朝に必ず見る番組になった。バーガーキングはポケモンの玩具を配った(恐らく最も儲かる玩具だった)。そしてメインストリームのニュースとメディアはポケモン熱を取り上げた。

日本は遂に、あらゆる面でアメリカに勝利したかに見えた・・・アニメは西洋の世界に対する日本の支配の最後の一コマだ。

とは言え、最終的にはポケモン熱は終息し、日本は不況にはまり込んだ。仕方ないさ、でも惜しかったな日本。



■回答者3(アメリカ)
そういう理由で発明されたわけではないが、今では日本と日本の歴史、日本の文化についての西洋の見解を操作するために使われている。

日本人が作ったアニメ(そしてマンガ)は、当然ながら日本人の倫理観と価値観を反映している ― そこにはまた嘘の歴史、日本人論、そして全ての日本人がごく小さな頃から学校やメディアを通じて洗脳されているプロパガンダが含まれている。従って日本のアニメとマンガは、その世界観と、特に日本が極めて一面的で、無知で、国粋主義的なプロパガンダの種から育った植物だという点で、芸術ではないと言うことができる。アニメとマンガにはまた、未成年者に対する性的虐待が含まれ、かつそれを促進している。これは日本では普通なのかも知れないが、西洋の世界ではそうではない。

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日本政府はこのことを知っていて、「クールジャパン」を発明した ― アニメとマンガを(そして上述した良からぬ事どもも一緒に)世界中に拡散しようという、グローバルなアジ宣伝キャンペーンだ。

従って日本のアニメとマンガの拡散は、ちょうどこの100年間ハリウッド映画がアメリカのイメージを拡散しているのと同じで、日本の考えとプロパガンダを世界の若者と単純な人々に拡散することに他ならない。

従って日本の全てのアニメとマンガは、児童ポルノ等が水際で弾かれるのと同様にして、各国の政府によってコントロールされる必要があると私は思う。

しかしそうならなくとも、「クールジャパン」のアジ宣伝キャンペーンは、国際世論の中で日本のうわべを取り繕うという目標に到達しないと思う。なぜなら西洋のアニメとマンガのファンは自分の(日本のではなく)倫理観と価値観に基づいた自分の物語で改良されたバージョンを作り始めるだろうし、それはわれわれの倫理観と価値観の体系によく訴え、異国風で気味の悪い感じもしないから、日本のアニメとマンガにあっという間に取って代わるだろうからだ。

日本のアニメとマンガを愛好する西洋のティーンエージャーは、それによってどんな堕落した倫理観と価値観が持ち込まれているか理解することができないだろう。だが大人になってもっと成熟した関心を身に付ければ、すぐにアニメとマンガが実に気味の悪い低俗なゴミだと気づき、拒絶するようになるだろう。

従って西洋人に日本の政治的方針を認めてもらうために日本のアニメとマンガを普及させようという考えは、裏目に出ることになる。



翻訳元:Quora



基本、国内消費向けだと思うんですけどね。



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