海外Q&Aサイトの「なんでサイバーパンクって日本っぽいの?」という質問から、回答をご紹介。


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■回答者1(アメリカ)
主に1980年代、アメリカは日本の製品と企業の勢いに脅威を感じていた。円は1971年には既に1ドル360円の為替レートに固定されなくなっていたし、1985年のプラザ合意(ドル高であることが認められた)以後、円の価値は上がり続けた。日本は海外市場に向けて高品質な製品を生産し始め、また多くの輸入品に高い障壁を設けた。日本企業は、アメリカ製品よりも高い需要のある製品を作っているアメリカの多くの古い企業や公開子会社を買収した。

日本に乗っ取られるという恐怖に、日本のテクノロジー製品への賛嘆、そして1950~70年代のディストピア的テーマが加わって、後にサイバーパンクとなるディストピア的未来のイメージが出来たのだ。

ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』はサイバーパンクの最も初期の、また最も普及力のあった例の一つで、このジャンルを書く後続の作家たちの多くに影響を与えた。

また見逃してはならないのは、強い影響力を持った1988年のアニメ映画『AKIRA』の原作が1982年に連載を開始したマンガだったこと、またその他のアニメ映画もVHSテープが使えるようになって西洋のSFジャンルの世界に入り込んで行ったということだ。VHSは1980年代に(最終的にソニーのベータに勝利を収めて)日本でも米国でも使われた標準フォーマットで、日本のアニメのVHSテープが米国で売られているビデオプレイヤーでも使えるようになった。サイバーパンクへの影響の幾つかが日本そのものから来ている可能性があることを無視してはいけない。



■回答者2(ポーランド)
私の意見では、主な理由は一つだ:サイバーパンクが登場した'80年代、日本はハイテクの国だった。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のこの場面が理解できるかい?

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'50年代のドク・ブラウンが日本の回路はゴミだと言うのは、当時日本が技術大国ではなかったからだ。'80年代から来たマーティは日本のエレクトロニクスの時代に生きていた ― TV、ゲーム機、ウォークマン等。そして「何だって? 日本は素晴らしいものを作ってるよ」と言う。

'80年代にサイバーパンクが現れた時、日本はエレクトロニクス大国だった:ソニー、東芝、日立、任天堂、富士通、トヨタ、三菱。日本はこの業界で偉大だっただけでなく、その進歩と発展は世界規模のインパクトを与えるほどダイナミックかつパワフルだった。日本は未来の最新テクノロジーのアイコンになった。そしてサイバーパンクの世界が日本とアジア一般にあれほど影響されているのもそのためだ。



翻訳元:Quora



日本っぽいような香港っぽいような謎の猥雑さですね。



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